いやらしい眺めだ。芳樹はカメラを唯のヒップに食い込ませるほど近づけて、つづけざまにシャッターを切る。
こんな絵を今まですっと撮りたかった。隠し撮りではなく――いや、あれはあれでスリルがあっていいのだが――こんな風に撮りたい確度から、きちんと光を当てて、撮りたかった。
ビデオで女の子があまい声をあげている。よく聞くと、同じ音程の鼻声が唯からももれていた。
「唯ちゃん、がまんせずに、さわってごらん」
お許しを待っていたかのように、ためらいなく唯の手が動き、指が股間にもぐった。
芳樹は心の中で快哉をさけぶ。やった。
写真もいいが、こうなると唯の声も取っておきたい。こういうときのために、デジタルビデオカメラを準備していた。芳樹は手早くビデオカメラを三脚にセットすると、ビデオとスチルカメラの両方での撮影を開始した。
「ああん、ううっ」
唯は本格的にオナニーをはじめていた。うつぶせの姿勢で、ヒップを高くつきあげ、指をパンティのなかに入れて、ワレメを触っている。
芳樹が側にいることを忘れているようだ。自分の部屋にいると錯覚しているのかもしれない。
すでに濡れているのか、湿った音がしている。
ぴちゃ、ぴちょ……くちゅ。
「ああん、気持ちいいよお、おにいちゃん」
唯の鼻声には、さすがの芳樹もドキリとした。やっぱり、りゅうのすけのやつ、「おれと唯とは関係ない」とかいいながら。
ムラムラときた。ひとつ屋根の下、毎晩のようにむつみあっているりゅうのすけと唯の姿が脳裏にうかんだ。芳樹がこの部屋で、隠し撮りした唯のパンチラ写真をオカズにオナニーしている時にも、りゅうのすけはこの唯の身体を自由にしていたのだ。
「おにいちゃん、すきだよお、おにいちゃん」
唯ははげしく指を動かしている。かなり極まりつつあるようだ。
「あああ、おにいちゃあ……っ」
唯が自分の指でのぼりつめようとしている。
芳樹は撮影をいったんやめ、唯のヒップを両手ではさんで動きをとめた。
「あっ?」
いきそうになっていたところを中断させられたので、すこし不満気な唯の声。相手がだれだかも、もう失念しているようだ。
「ジャマ、しないでえ」
「おれがやってやるよ、唯」
「おにいちゃん?」
「ああ」
りゅうのすけの声色を使って――似ているかどうかはさておき――芳樹は唯のヒップにまとわりついている白い布をずりおろした。唯も膝を動かして協力する。恥ずかしげにしながらも大胆だ。
パンティの股間の部分にはしみがついていた。唯のアソコからしみ出したモノだと思うと脳が沸騰しそうだった。それをひとかぎして、芳樹は学生服のポケットにつっこむ。わが青春に悔い無し、とつぶやきながら。
唯の女の子のあかしが目の前にあらわになっていた。たまらない。芳樹は思わずカメラに手をのばし、その部分を接写した。これが芳樹にとっては射精と同じくらい気持ちいいのだ。
ピンク色の濡れた粘膜が、唯自身の指で広げられ、外気にさらされている。たちのぼる香気は、子供っぽく、あまいミルクの香り。
「唯――ちゃん」
芳樹の意識はまっしろになった。舌をファインダーにしての撮影に没入する。
「んあっ、おっ、おにいちゃ、きたないよ、そこぉ」
唯が悲鳴じみた声をたてる。いきなりアヌスを舐めたのはまずかったか、と芳樹は一瞬後悔しかける。
だが。
「ひっ、ひうっ……」
しゃくりあげながらも唯は逃げようとはしない。むしろ、芳樹の舌を求めるかのように、おしりをいっそう突きあげる。感じているのだ。
それを覚ると、芳樹はさらにはりきり、アヌスの入り口を舌でこじあけ、奥の粘膜を舌でえぐった。唯は嗚咽に似た声をもらしながら、芳樹の愛撫に身をゆだねている。
芳樹は舐めながら、太い指で唯の湿った部分をいじくった。クリトリスがどこかは、よくわからなかったが、触っているうちに、唯の身体の反応で、なんとなく効くポイントがわかってきた。快楽のスイッチをおされると、唯の身体はするどくふるえ、愛液の分泌が増し、アヌスが収縮し、芳香がたちのぼるのだ。
できれば上も脱がしてバストも撮影したかったが、いまの姿勢をかえると唯に顔を見られてしまうので、あきらめざるをえない。
その不満を、芳樹は舌と指にこめた。はげしく責める。
「もう……唯、だめ。おにいちゃん……おねがいい」
アルコールの酔いと快感とで朦朧となっている唯は、相手をりゅうのすけだと信じて疑っていないようだ。たぶん、夢うつつのなかで最愛の男に抱かれていると思っているのだろう。
いいとも、と芳樹は思った。りゅうのすけがさんざんに楽しんだ身体だとしても、芳樹にしてみれば憧れの聖地だったのだ。その花園に迎え入れてくれるのなら、本望だ。
芳樹は、三脚からビデオカメラを外して手に取ると、唯のヒップをさらに高くかかげさせた。結合部分をはっきりと撮るためだ。最近のビデオカメラは近接撮影もお手のものだ。
「いくよ、唯ちゃん」
つづく
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