10
「なっ! なに勝手に、入れてるのよ!?」
ルイズはパニック状態だ。どこに、なにが、どうして?
逃げようにも、マリコルヌは重すぎる。
魔法を使おうにも杖はない。
「ふうっ、こ、これが、女の子かあ……あったかくて、気持ちいいなあ」
マリコルヌの息が耳にあたる。
抱きしめられている。抱きしめられながら、挿入された。
サイトにこうされるのが夢だったのに。
「うそ……っ、やめ……やめっ! 抜きなさいっ! ぬいてえぇ!」
「ここまでして、もう遅いよ! 入るよ……入っていくよ……おおお、女の子ってすげえ!」
「ひいっ……入って……くるぅ」
マリコルヌのペニスがルイズの処女膜を引き裂いていく。まだ少し酔いが残っているせいか、痛みはそれほどでもない。
それでも、奪われた、という感覚が胸をえぐる。
「ヌルヌルだ、ルイズのおまんこ、ぼくのオチンチンを受け入れてくれたよ」
「ぬ、抜いて……抜きなさいよ……っ! ばかーっ」
拳をかためて、マルコリヌの胸を叩く。だが、マリコルヌはびくともしない。
「だめだよ。せっかく入れたんだから、中でドピュッとしないとね」
動き始める。
「あっ……あ……か……かきまぜないで……っ」
自分の中でマルコリヌが暴れ始めたのを感じて、ルイズは声をあげてしまう。
「すげえ、ルイズのまんこ、マリコルヌのをがっちりくわえ込んでるぜ」
「あんだけいじくったんだ。処女まんこでもヌルヌルだとけっこう入るんだな」
マリコルヌとルイズの結合部分をほかの男子がのぞき込んでいる。マリコルヌも、そこが見やすいように、ルイズの腿をつかんで大きく広げている。
「いやっ! そんなとこ、みないで! やだあああ!」
記念すべき初体験が、こんな形でさらされるなんて。
「お、おい、映像結晶化の魔法、おまえ、使えたよな?」
「ああ、さっきからちゃんと記録してるぜ」
杖を持った(フルチンの)少年が空中に水晶玉を浮遊させている。かれの得意魔法は空気中に出現させた水晶玉に、その場の情景を封じ込める「映像結晶化術」だ。サイトがここにいたら、「ビデオカメラみたいなものか」と言うかもしれない――いや、そんなのんびりとした状態ではないだろうが。
「おお、後で複製させてくれよな」「おれも」「おれも」
「そんなの、記録するな、ばかぁ!」
ルイズの抗議もむなしく、むしろ水晶玉が増え――術が使えるのは一人ではなかったらしい――いろんなアングルから記録されることになってしまった。
「いいじゃん、ルイズも、記念に複製してもらったら」
言いつつマリコルヌが奥の奥まで突っ込んでくる。
「あくっ……かは……っ」
まだ異物の侵入を許していなかった聖域にまで、それは達していた。子宮の入口だ。指では届かない――
「うひょぉ……! ここ、こすりつけると気持ちいい! ルイズのまんこがチューチュー吸い付いてくる!」
マリコルヌの声が裏返る。
「やぁ、いや……やめてぇ……そこはぁ……ん!」
ルイズの声も切迫する。
(感じたくないのに、いやなのに、そこをコシコシされたら、すごく、なんかすごく……っ!)
「ルイズ!」
マリコルヌがキスを求めてくる。そんな、ありえない。サイトのための唇だ。使い魔としての契約をした、大切なキス――そのための場所。でも、もうとっくにその唇で、マリコルヌやほかの男子達のペニスにキスしてしまっている。もう今更――
「はむぅ……ん」
キスしていた。マリコルヌと。最後はたぶん自分から迎え入れていた。
舌が入ってくる。からんでくる。へんな味。マリコルヌの唾液と、たぶんほかの男子の精液とか、いろいろ混ざっている。だから、こそ。
すごいエッチな味がする。
舌をからめながら、奥を突かれる。
こういうことをサイトとしたかったのに。今日、できると思ったのに――
想像していたよりずっとずっと、気持ちいい!
「おっふぅ、さらに締め付けが……! ちんぽがトロける! すげえ!」
マリコルヌが快感のあまり声をあげる。尻を激しく上下させ、ルイズの膣壁を味わう。白い尻肉がたぷんたぷん動き、陰嚢もゆれまくりだ。
「ルイズのまんこ、すげー気持ちいい! 最高だぁ!」
「は、恥ずかしいこと……言わないで、ばかぁ!」
だが、すこし嬉しい気もしてしまうのはなぜだろう。好きでもない相手に、大事なヴァージンを奪われたのに。サイトを裏切ってしまったのに――
たぶん、サイト以外の男の子とセックスしても、それはとても気持ちいい、ということを、ルイズの身体が認めてしまったからだ。
「あー、出そう! 出るっ! 出る! ビュッと出るっ!」
切迫したマリコルヌの動き。ストロークが浅く、速くなる。
「だめっ! 中はだめっ! あ、あかちゃん、できちゃう……!」
この世界に確実な避妊具はない。むろん、マリコルヌのペニスも生のままで、ルイズの膣内に埋まっている。妊娠の確率を低くするには外に出すようにするしかない。
だが、そんな加減がマリコルヌにできるはずもなく、本能のままに振る舞った。
「ルイズ! ルイズ! ルイズぅ!」
名前を呼びながら奥にペニスを押し込んでくる。そして一番奥の行き止まりのところで、コツコツコツコツとピストン運動。まるで子宮をこじ開けようとするかのように。
ルイズの身体もそれに応え――
「あっ! ああっ! それっ、ヘンになるっ! ヘンになっちゃううよおぉ!?」
絶頂に迫る。お腹があつくて、震えて、もだえる。
自分の胎内に侵入しようとする異物が愛しくて、離したくなくて。
脚をマリコルヌの腰に回してつなぎとめる。無意識の動きだ。
「出る! ルイズのまんこの中で――うわぁああ!」
何度も激しく腰を突き入れる。半ばまで引き抜いては、勢いをつけてさらに奥へと。
子宮の中に亀頭を潜り込ませ――
命の種を注ぎ込む。
「あああああっ! あついのがぁああ!? やあああああああああ!」
初めての性交で、初めての膣内射精を、子宮壁にいきなり直がけされて、ルイズは絶叫とともにアクメに達した。
おそろしいほどの達成感と被征服感だ。
これまでの人生観を完全に破壊された。
ルイズは荒い息のまま、虚空をみた。サイトの面影を念じた。だが、その顔はぼんやりしたまま、よく見えなかった。
つづく
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