続・けいおん妄想
「うーん、これは本当はイヤな記憶だから話したくなかったんだけど……」
澪が告白開始。
「小学校のときのことなんだけど。うちの近くに公園があってさ……」
「三角公園な? 今でもあるじゃん?」
「混ぜっ返すな、律。その頃、塾に通ってて、駅からうちに帰るとき、突っ切ると近道になったって説明しようとしてたんだ」
「へーへー」
「その日は塾の帰り、遅くなっちゃって、真っ暗だったんだ。公園は街灯がぽつんぽつんとしかないし……」
「恐がりの澪ちゃんがそんなとこ通るなんて、おどろきだよー!」
「まあ、早く帰りたかったからな。小走りに公園を突っ切ろうとしたんだ。そしたら」
「首のない死体がぶわっと!」
「ぎゃあああっ!」
「澪ちゃん!?」
「り、律っ! 人の話に勝手に割って入るな! それにこれは怪談じゃないぞ!」
「ま、ワイ談だしー。みーおちゅわーん、続き続きィ」
「む……そう言われると、何か話しづらい」
「澪ちゃん、それで!?(ワクワク)」
「ムギ……まあいいけど。えーと、とにかく、公園を突っ切ろうとしたんだ。そしたら、行く手に知らないおじさんに通せんぼされたんだ」
「ほう」
「どんなおじさんだったのかな?」
「秋口くらいだったんだけど、コートを着てて、マスクして、サングラスもしてた」
「絵に描いたような変質者ね」
「和ちゃんも参加するんだ」
「あら、いけない?」
「ううん、いけなくはないよ」
「そもそも、だれがしゃっべてるかわかりにくいよな? あ、いましゃべってるのはりっちゃんだ!」
「セリフの前に名前つけてみる?」
和 「こんな感じかしら?」
澪 「わかりやすいけど……なんだかなあ」
「ま、読む人が判断すればいいんじゃね?」
「そうだよー、みんな賢いから大丈夫」
「続けてもいいか?」
「コクコク(ワクワク)」
「そのおじさんが……その……なんだ……いいにくいな……」
「わくわく!」
「コートを……その……はだけるとというか……その」
「わくわく! わくわく!」
「ムギちゃん、期待しすぎ」
「要するに、コートの下は裸だったんだな?」
「よくいる変質者ね」
「そ、そうだよっ! でも、すごく怖かったんだ!」
「勃起とかしてたのかしら?」
「へ……?」
「何か液体をかけられたとか?」
「和ちゃん……」
「あら? そういう話じゃないの?」
「わ、わたしは、そのっ、み、見せられたという話を」
「なんだ、見ただけ?」
「い、いや、怖くて目をつむってたから……何も」
「見てないんだ」
「う、うん……」
「そしてどうなったんだ?」
「え、ええと、気がついたら、もういなくて」
「それだけ?」
「あ、ああ……」
「和さん、判定は?」
「失望したわ」
「澪、罰ゲームけってーい!」
「えっ!?」
「そういうルールなんだ……」
次は、誰かな?
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