3 ルイズ、ゲームに挑戦するの巻
魅惑の妖精亭の夜もふけていく。
雇われマネージャーが小さな鐘を鳴らした。
「お客様、これより、妖精とあそぼう! の時間でございます。どうかお好みの妖精たちにチップをお弾みいただき、お望みのゲームをお楽しみください!」
来たわね、とルイズは思う。
これが魅惑の妖精亭の新しいシステムだ。単なる給仕だけではチップを稼げなくなり、取り入れられたルールだという。
ゲームには何種類かあり、チップが多いほど選べる種類が増えていく。
そのなかには多少きわどいものもあるが、耐えられないほどではない。いや、耐えてみせる。
この時間帯まで店に残った客は20名ほど。ジェシカに聞いた話では、最近はこの時点でほとんど客が残っていないこともあるということだったから、確かにルイズが頑張った結果だろう。
「ルイズ! ほらチップ!」
「いや、こっちが先だ!」
あちこちのテーブルから声がかかる。
引っ張りだこよ、わたし、もててるわ。そりゃそうよね、こんなに可愛くて気品もあって、それにオトナの女性としての色香もそなえているんですもの。男性なら夢中になって当然よね――
ちょっぴり浮かれ気味のルイズである。
最初のテーブルでは、ポッキーゲームだ。
ポッキーというのはトリスタニアの伝統焼き菓子で、細いスティック状のプレッツェルにチョコレートをかけたものだ。
それを両端から同時に食べていき、先に口を離したほうが負けとなる。
酔客の鼻息がかかる位置まで顔を近づけねばならず、いやでしょうがないが、これでチップをもらっているのだ。がまんするしかない。
「む~ん、ルイズちゃ~ん」
酔客の唇が近づいてきて、思わずルイズは口を離してしまう。
「わはは、ルイズちゃんの負け~! はい、罰ゲーム!」
むろん、負けた方にはペナルティがある。客が負けたらチップ追加。妖精側が負けたら――ポッキーゲームの場合は一気飲みだ。その酒代ももちろん客が出すから店はもうかる一方である。
「し、しかたないわね」
お酒では失敗もしたことがあるルイズだから、あまり飲みたくないが仕方ない。次は勝つんだから、と思いつつ、なみなみと満たされたグラスを一気にあおる。
ほかのテーブルからもやんやの拍手だ。
次々とポッキーゲームを挑まれ、全敗するルイズ。だって、負けないためには最後までポッキーから口を離さずにいるしかないが、客の方が逃げるはずがない。
(キ、キスすることになるじゃないの……!)
気づいた時にはもう遅い。ルイズは立て続けにワインをがぶ飲みしてしまっていた。
酔いが回って、いい気分になっている。
(ま、また、このパターン……?)
そのパターンとはどんなパターンなのか、ルイズは思い出せないが、ともかくもルイズは男たちにチヤホヤされながら酔っ払って、急速に羞恥心を失っていった。
「じゃ、次のゲーム! チップ2倍出すぞ!」
豪気な客がレートを上げる。チップが多いほど選べるゲームの種類が増える――だが、ゲーム自体は他愛ないものだ。
「セント!」
「ミッツール!」
「ナハッ、ナハッ!」
聖ミッツール卿という歴史上の人物をネタにしたゲームだ。ルールは略する。
「はーい、ルイズの負け~!」
「まっれ、わたひ、まけてな~ひ!」
「だめだめ、ちゃんとナハナハしてなかったもんね、はい、罰ゲーム!」
グラスを突きつけられる。さすがのルイズもこれ以上飲んだらヤバいという感覚はある。
「いっひ、ひがいのバツげーむじゃらめ?」
手を合わせるルイズ。顔は真っ赤で、目はとろんとしている。
「しょうがないな~、じゃあ、スカートたくしあげ10秒!」
「えええ、パンツみえちゃうじゃない!」
顔をぶんぶん振るルイズ。
「さっきから見えてるよー」
「そうそう、どってことない!」
あ、それもそうか。
それにすごく熱いし。スカートぱたぱたしたら涼しいかも。
「じゃあ、それ、やりゅ」
言いつつルイズは立ち上がり、スカートの裾をつまんで持ち上げる。
ピンクの小さな下着が完全露出する。おへそまで見えている。
フリルとリボンで彩られた薄手の三角形の布。横はヒモで、後ろもヒモ。隠れているのはルイズの本当に大事な場所だけ。
男たちは食い入るようにルイズの下半身を鑑賞する。
「このサイズの下着で毛が見えないって――ルイズちゃんってまさか生えてない?」
「布が薄いからワレメちゃんに貼り付いて形がわかるぞ」
「なっ、かっ、かおちかっ!」
「だめだめ、ちゃんと十秒数えないと」
「もぉ……いち、にぃさんしごろくななはちきゅっじゅっ!」
急いで十まで数えるルイズ。
だが、続くゲームでも負けて、今度はおしり側をたくし上げて見せることに。
「ルイズちゃん、もうちょっとおしり突き出して」
「そうそう、しっかり十まで数えてね」
「いちにいさんしぃごぉりょくっ……!」
「はい、かんだ。最初から~」
Tバックのおしりを男たちに至近距離から見られながら、最初からカウントし直すルイズ。
ヒモがおしりのワレメの上を走っているだけ。おしりそのものは丸見えだ。ルイズの小ぶりながらじゅうぶんに丸いヒップが酔客たちに視姦される。
「ひもがよじれて……」
「おしりの穴が半分見えてる」
「ルイズのアソコ、湿ってね?」
おしりを突き出しているので、布に包まれた性器の部分も観察されてしまう。
「……はち、きゅう、じゅううう!」
なんども数え直し、たっぷり一分は見られてしまう。
その後もルイズは負け続け――パンツを見られ続けた。
ルイズの方も見られることには慣れてきた頃だ。
「じゃあ、次の罰ゲームは、ゴムぱっちんね」
ルイズは自分でスカートの裾をくわえ、後ろ手でスカートをたくしあげる。
完全に下着が露出した状態で、ゲームの勝者たちがルイズの前後にしゃがむ。
「じゃ、後ろから……ご~む、ぱっちん!」
ルイズの下着のヒモをつまみ、引っ張る。ルイズのおしりをかろうじて隠していたヒモが肌から離れる。露出するルイズの肛門。
「ひぅ」
思わず腰を引いた瞬間、男は指を離し、ヒモ部分が勢いよくルイズのおしりに「ぱっちん」する。
「じゃあ、次は前ね」
前にしゃがんだ男がルイズの性器を隠す最後の砦に指をかけ、ぐぃーっと引っ張る。
「ふっ、んっ」
スカートをくわえたまま声をあげるルイズ。
一瞬、さらされるルイズの無毛のワレメ。
次の瞬間、ぱっちん!
「やっぱりパイパンか、ルイズちゃん」
「いや、眼福眼福」
その後も、ゴムがゆるゆるになって、勝手にすれてくるほどに「ぱっちん」されるルイズだった。
つづく
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