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超世紀莫迦 WEBLOG

□ 美耶子のどっきり大作戦! □

美耶子のお仕事 「どっきり大作戦!」(04)

   ■5
「じゃ、次は遊園地ね」
「え、終わりじゃないんですか?」
 桃山園は鼻で笑った。
「あんなの、使えてもせいぜい1分くらいよ。あんたのコーナーで15分もたせなきゃいけないのよ? 今日は一日、その格好でいてもらうんだからね」
「そんな……ぁ」
 さしもの美耶子もへこんだようだ。恥ずかしさを我慢して裸で頑張ったのに、ほとんど使いどころがないと言われたのだ。
「だいたい、インパクトがないのよ。まわりの人も、驚くよりも『可哀想な子』を見るような感じだったし」
「うっ……」
 それは美耶子も感じていたのだろう。
「ま、もう嫌だっていうなら別にいいけど? あんたにはまだ荷が重かったのよね」
「や……やります! やらせてください!」
 負けん気がまた首をもたげてきたらしい。おれが口を出しても無駄だな、こりゃ……
 しかたねーな。


「どっきりそのに~! 小学生が裸で遊園地あそびぃ~!」
 今度はあまりひねりがない。
「最初っから自然にね。裸であることに違和感を持たせないで」
「はい」
 黄色い帽子とポシェットを身につけ、あとは靴だけのすっぽんぽんの美耶子はうなずいた。
 ポシェットを持っているのは、お財布など小物を入れるため。帽子は小学生っぽさを出すのと、遠くからでも居場所がわかるようにするためだ。
 今回は一箇所だけではなく、園内を移動するため、スタッフとはぐれないようにする必要がある。
「いってきまーす」
 努めて明るく美耶子は言い、園内に入っていく。驚きの声があちことであがる。まあ、全裸の小学生が自然を装いつつ突然入ってきたらビックリするよな。
 園内のスタッフにはテレビ局から話が通っているのだろう。裸の美耶子が切符を買うために窓口にならんでも普通に対応してくれる。
 それがシュールといえばシュールだ。
 人々の好奇の視線にさらされながら、美耶子は次々とアトラクションに挑戦していく。

 メリーゴーラウンド。
 なんか木馬責めをされているような絵面だ。木馬の背にワレメをおしつける。後ろの木馬に乗っている五、六歳くらいの男の子が目を丸くする。美耶子の白いおしりが動くのにあわせて顔を上下させている。この体験がもしかしたら彼の性の目覚めになるかもしれない――
 美耶子が降りた後、その木馬に乗る権利をなぜか大人の男たちが争った。
 勝ち取った男は、美耶子のワレメが当たっていたとおぼしい場所の写真を撮り、鼻を近づけてクンカクンカしていた。

 ジェットコースター。
 美耶子は普段からジェットコースターが大好きだ。遊びで行ったときなどは一日中ジェットコースターに乗っていたいとさえ言う。
 仕事でも、全裸でも、それは変わらないらしく、園内一番人気のコースターの行列に並びつつ、ウキウキしている様子が見て取れた。一方、美耶子の前後に並んでいた一般客は非常に居づらそうだった。
 順番が回ってきて、コースターの座席に乗った美耶子――もっとも、乗る場所はテレビ的に決まっていて、カメラが仕込まれた最前列の席だ――カメラは顔のアップ用と、下半身が映る角度の2種類ある。
 コースターがスタートし、斜路をのぼりはじめると美耶子のテンションはたちまちあがっていく。
 振動がゴンゴンと伝わるごとに表情が期待に緩んでいく。
「あ……あん……なんか、おなかに響くぅ」
 座席の上で膝をゆるめる。もちろん股間丸出しで、肉芽がワレメから顔を覗かせている状態。興奮しているのは明らかだ。
 コースターが頂上に到着し、一気に落下を始める。
「きゃあああああああああっ!」
 きゃーきゃー言いながら明らかに悦んでいる美耶子。
 横Gで身体を押しつけられ、勃起乳首がバーから見え隠れ。前後の動きで揺さぶられると、カメラに股間が迫ってくる。その部分が明らかに湿っているように見えるのは錯覚だろうか。
「うっきゃああああああ! いひぃいいいいい!」
 大喜びの美耶子。
 ようやくコースターが一周し終えて戻ってくると、
「はあ……はぁ……いきそう……なっちゃった」
 とテレビ的には問題発言。
 降りて、ふらつく美耶子の内股は汗か何かでヌルヌルになっていた。

 お化け屋敷。
 桃山園の指示にもかかわらず美耶子は頑として入るのを拒否。
 双子の妹の珠子なら、むしろそこに住んでいても不思議はないくらいなのだが、美耶子は幽霊の類がからっきしなのだ。
『あんた、それでもプロ?』
「プロでもお化けは別! ぜったい、や!」
『……5分以内にお化け屋敷を制覇できたら、この後のロケではパンツくらい穿かせてあげてもいいかな~って思ったんだけど』
「やります」
 パンツが恐怖に勝ったらしい。
 ただし、この遊園地のお化け屋敷は機械仕掛けの幽霊ではなく、特殊メイクをしたスタッフがおどかす仕組みでそうとう怖いのだ。そこまでの予備知識がないまま美耶子は挑戦したわけだが……
『みゃああああああああっ!』
 マイクが拾うのは美耶子の絶叫、絶叫、絶叫。
『やあああああああ! こわいいいいいいい!』
『こっち、こなっ、こなっ……こないでえええええええ!』
『ぴぎゃあああああ! なんかおしりさわったああああああああ!?』
『うわあああああああああん! やっ、やだあああああああああああ!』
『ここ、ここどこおおおお!? わ、わかんな……いっひいいいいいいい!』
 幽霊に追いかけられてパニックを起こしているらしい。スタッフも追いつけなくて、映像も送られてこないから、桃山園も指示の出しようない。
『やっ……や……も、もれちゃ……』
 泣きそうな美耶子の声が聞こえてきたかと思うと、ちょぽちょぽという水音が――
 結局、美耶子が出口に現れたのは30分後のことで、目は泣きはらし、髪もぐしゃぐしゃ、ひざもすりむいていた。後から聞いた話では、中で転んですりむいたあげく、ショックでおしっこを漏らしてしまったそうだ。
「幽霊の人に拭いてもらった……」
 らしい。

 お化け屋敷の後、メイクをやり直し、ロケ再開。
 5分での制覇ができなかったため、パンツ支給はなし。ただし、膝小僧にバンドエイドを貼ってもらい、素肌の露出はわずかに減った――

          つづく




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Date:2011/09/14
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