[金曜日]ドラマ撮影(スペシャルドラマ「美耶姫異聞」) その4
まるで、それこそが現実のようだった。
おれは完全に引き込まれていた。カメラや照明、音声その他のスタッフがいることも忘れ、ただただ、南小路と美耶子の演技――完全に即興だ――に見入っていた。
スタッフたちもきっとそうだったろう。ギリギリのプロ意識で自分の仕事は果たしつつも、目の前の情景に心を奪われていたにちがいない。
南小路は、逃げようとする美耶子を背後から押さえつけた。
もがくが、美耶子は小柄な少女。尻を掲げさせられ、屈辱的な姿勢をとらされる。
南小路欣也の股間は隆々とそそり立っていた。勃起不全など、とんでもない。使い込まれた、現役バリバリのペニスだった。亀頭は大きくエラをはり、竿は反り返り裏筋が見えるほどだった。
「まさか……勃起しないようにコントロールしてたとはね……」
桃山園が驚愕の声をもらす。
「これが大御所クラスの俳優の実力……」
南小路欣也は、美耶子をバックから貫いた。
「あっ――あぁぁぁぅやぁああーーーーーっ!」
美耶子がのけぞり絶叫する。
巨根が美耶子の膣を限界まで押し広げているのがわかる。
竿の半分どころか、三分の一くらいしか埋まっていないのに、子宮まで亀頭は届いているだろう。
かるく出し入れするだけで、子宮ごと貫かれている。
「おお、美耶姫――やわ魔羅でほぐしておいただけあって、いい具合に馴染んでおるぞ。子袋も巾着のように締めつけてきて良い具合じゃ」
南小路は笑いながら美耶子のおなかをさする。
「おう、こうすれば、中に入っておるわが魔羅の形もよくわかる」
「うっ、ああああああっ!」
美耶子の身体を持ち上げる。今度は逆駅弁の形で、美耶子のお腹をカメラに見せつける。
南小路のペニスが美耶子の胎内を擦り立てるさまが、腹部の陰影でわかる――
結合部は見えないのに、ガチ交尾の様子が見て取れる驚愕のアングルだ。
「いっああああああ! や、やばい、やばいよおおおおっ!」
美耶子の声がうわずり、現代語が思わず混ざる。
「おなかのなか……ぐちゃぐちゃになっちゃ……うふっああああああっ!」
「いい具合だ、気持ちいいぞ、美耶姫。そうら、もっと感じろ、はらわたの感覚に身をゆだねるのだ!」
美耶子の両の腕をつかみ、前に投げ出すようにする。両腕と結合部の三点だけで体重を支えることになり、挿入がさらに深まる。
「あああああ……つき……ぬけるぅ!」
子宮を槍で突き上げられているような形だ。美耶子は涙とよだれをたらして虚空を見ている。
「危険だ! やめさせよう!」
幼い美耶子の膣は大人にくらべれば狭く短い。そこに並外れて大きな南小路のペニスを根元近くまで挿し込まれたら、最悪の事態も考えられる。
飛び出そうとするおれを桃山園がまたもさえぎる。
「行かせないわよ――あたしにとっても一世一代の撮影なのよ。こんなものすごいシーン、二度と撮れないわ」
「美耶子が死んじまうぞ!」
「だから、だいじょうぶなのよ。南小路欣也を、そして宇多方美耶子を信じるの――ね、お願い!」
桃山園が泣きそうな顔で懇願する。ばかな。だって、美耶子はあんなに苦しそうに――
「あ……ああ……はああ……」
美耶子は蕩けていた。
激しく南小路にバックから、逆駅弁で突かれながら――突かれる度に脚をぴーんと伸ばし、足指をきゅっとさせながら。
「すごい……これすごい……よぅ……おなかとけちゃうよぉ……」
子宮を突かれ続け、そこに快感を発生するようになったのか――
ボルチオオーガズムを覚えてしまったのか。
年端もいかない少女が――
いや、違う。子宮を性感帯に変えられたのは美耶姫だ。
美耶姫は巫女で、特別な力を持っている。
これまでの行為はすべて、この状態に美耶姫を導くためだったのだ。
「子袋の準備が整ったか――今こそ見せてもらうぞ、その巫女の力――その幼きはらわたにわが種を注いで、あやかしどもの主を孕ませてくれる」
さらに激しく男根を突き立てる。まるで、子宮そのものをかきませるかのように。
「あああああっ! いくううっ! おなかのなかがトロけて、いくぅうううっ!」
美耶姫が絶叫する。
「こ、こんなのすごすぎるよおおっ! おじいちゃんのおっきいチンポが、美耶のおまんこのなかでいっぱいになって……おなかのいちばん奥をぐちゃぐちゃにしちゃってるのぉおおおっ!」
「よおおし、では出すぞ、美耶姫! わが子種を、受け取るがよいわ!」
悪徳大名はひときわ大きく美耶姫を二度、三度と突き上げる。
「いくっ! いくうっ! いきつづけてりゅううううううっ!」
「おうっ!」
びぐっ! びぐびくびぐっ!
美耶姫の痙攣的な動きで、大量の精液が美耶姫の子宮内に撃ち出されたのがわかる。わかってしまう。
「でてりゅ……しゅごい熱いのが……おなかのおくでぇ……ああああああっ! いくっいくっ、いくぅーーーーーーっ!」
断末魔のような声をあげつつ、美耶姫は壮絶に気をやった。
太腿を伝い落ちるしずくは失禁のためだろう。
悪徳大名は美耶姫の腕を離した。人形のようにぶらり美耶姫は倒れこむ。その動きに合わせて、膣から男根が抜けていく。こんな長いものが少女の胎内に収まっていたのか、と驚嘆するほど長い竿だった。
ちゅぽん、と音をたてて亀頭が抜けると、美耶姫はそのまま褥にうつぶせになる。気をやったまま、失神したようだ。おしりを高く掲げた格好で、結合部がどうなっているかがよく見える。
男根の形にぽっかり口を開いた膣口からは、胎内におさまりきらなかった精液が泡立ちながら、どろどろと零れ出ていた。量といい濃さといい、老人とは思えない。これならば排卵前の少女でも妊娠するのではないか――そう思えてしまうくらいに。
悪徳大名は、美耶姫を見下ろしている。だが、その視線には今までのような昂ぶりや荒々しさはない。
まるで初孫を見つめる祖父のような、優しいまなざしだった。
「美耶――よくがんばったな……あとは天命を待つのみ。運命がわしらを引き裂こうと――あの若侍がここにたどりつく時が来ようとも――わしは――美耶、おまえを愛し続けるだろう」
そのまま悪徳大名は動かない。まるで、燃え尽きた彫像のように、ぴくりとも動かない――
「カーット!」
しばらくのあいだ静止していた時間が、桃山園のその声でようやく動き出す。
スタッフはようやく我に返り、ルーティンの作業に復帰する。
南小路欣也は、駆け寄ってきたマネージャーが手渡したバスローブに悠然と袖を通した。
そして、セット脇で固まっているおれに視線を向けた。
表情が動く。
「わたしのスタンドかね? ご苦労さま。出番がなくて申し訳なかったね」
おれの扮装を見てそう判断したのだろう。
「実のところ、勃たなかったらどうしようと思ってたんだ。でも、相手役に恵まれたおかげでうまくできたよ。宇多方美耶子ちゃんか――まだ十歳だなんて信じられないね」
軽く溜息をつく。つくづく驚いた、とでも言うように。
「とっくに枯れていたんだよ、わたしは。実際のところ最後に射精をしたのはいつだったか思い出せないほどだ。つまり、あのシーンは、わたしではなく、美耶子ちゃんが導いたものだったんだよ」
まさか――信じられない――この撮影の間じゅう、ずっと美耶子は圧倒されていた。名優・南小路欣也の掌の上で転がされていた。だが、そうではない、と南小路自身が告白したのだ。
「ともあれ、美耶子ちゃんと共演できて、孫にも自慢できるよ。困ったことにうちの孫は子役志願でね、美耶子ちゃんみたいになりたいんだそうだ。いつか、きみたちとも仕事を一緒にすることがあるかもしれないな」
南小路欣也は軽く手をあげかけた。
「それではね、若侍くん――」
「え?」
おれは南小路の言葉に疑問の声をあげた。おれは南小路のスタンドで、格好も悪徳大名のそれだ。若侍はキモタクの役で、今日は撮影はない。そもそもキモタクはスタンドを必要としない。
「ああ、いや――美耶子ちゃんがね――自覚していなかったようだけど、若侍を思い浮かべて演技するシーンでことごとくきみの方に注意を向けていたんだよ。むろんはっきり視線を動かすようなミスはしていなかったけどね、きみをとても気にしていたよ。最後のシーンなんて特にね。よほどきみのことを想っているんだね。まあ、その気持ちを誘導して、こちらも芝居を組み立てることができたのだがね――」
おれは思わず美耶子の方を見た。美耶子もバスローブを着せてもらい、女性ADからホットミルクのカップを受け取っているところだった。偶然だとは思うが、モロに目が合ってしまった。美耶子が「どうだった?」というように表情を動かし、おれはどぎまぎして視線をそらした。
「ね? 若侍を見る目だろ?」
南小路はあげかけた腕をおろしておれの肩をぽんぽんと叩いた。親愛の情をこめた――しかし、明確な敵愾心も秘めた――
「近いうちに美耶子ちゃんとは共演したいね。もちろん、スタンドなしで」
まるでおれをライバル視するかのような茶目っ気たっぷりなウィンクをかの名優はして見せたのだった。
この日の撮影での悪徳大名と美耶姫の濡れ場は、実に2時間を超えていたため、テレビ放映では大幅にカットせざるを得なかった。それでも、テレビ初の老人×子役・生挿入はばっちり放送され大反響となった。そこで、悪徳大名とのエピソードを中心にまとめなおした劇場版が作られることになった。
追加シーンの撮影のために南小路欣也と再会した美耶子が「おじいちゃま大好きっ子」になっていたことや、この作品で子役デビューを果たした南小路の孫娘・果歩が色々な意味でとんでもない逸材だったこととかは――また別の話。
土曜日に続く……!
* 「びっちな美耶子の一週間!」目次へ戻る
Information
Trackback:0
Comment:0