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超世紀莫迦 WEBLOG

□ 男優のおしごと!  □

うたかた外伝シリーズ 男優のおしごと! 2nd(1)

第二話 美耶子がセフレになっちゃった


「あん、あっ、あっ……はぁ……」
 照明にさらされ、周囲をカメラと音声マイクで固められ、宇多方美耶子はあえいでいた。
 少女の肌は紅潮し、汗の玉が浮いている。広げた脚の間――無毛のヴィーナスの丘を断ち割っているのはおれのペニスだ。
  連続ドラマ『LINEで始まる恋だから』のレギュラーになってから2ヶ月。
 週の半分は、こんなふうに濡れ場の撮影がある。
 リハや撮り直しも入れれば、この少女と肌を合わせた回数は三十数回にのぼる。
 これほどの回数、ただの一度も避妊せず、生挿入、膣中だしを繰りかえした女は、元妻も含めてもいないかもしれない。
 美耶子の身体のすべてを知り尽くしたといっていい――十歳の少女の肉体でおれの亀頭が触れていない部位は残っていない。膣はもちろん、アナルも口腔もだ。
 それでも、撮影のたびにおれは驚かされることになる。一日ごとに、美耶子は変わっていく。成長期のエネルギーに満ちあふれている。そして、おれの精液を容赦なく搾っていく。
 今もだ。
「むっ……んぅ……おじさまぁ……」
 子供の口腔を舐め回しながら、おれは美耶子の細い身体を膝の上で抱きしめる。ペニスは美耶子の膣内に埋まったままだ。少女のぬるぬるの肉筒がおれに射精を迫ってくる。
 それをこらえながら、おれは美耶子の尻肉を左右に広げる。おれからは見えないが、肛門が左右に広がり、濃いピンクの粘膜がカメラにとらえられているはずだ。
 その美耶子のアヌスに、おれのものではないペニスがこすりつけられる。
 共演者の星乃源のペニスだ。美耶子の担任教師役で、主題歌も歌っている。このドラマでブレイクした一人だ。
「せ、せんせ……おしり、入れちゃうの……?」
 美耶子が不安そうに言うが、もちろん演技だ。
 星乃源は美耶子の肛門に亀頭をこじ入れる。何度もそれを繰り返し、馴染んだところでゆっくり沈めていく。
「あ……っ! ああ……あああ……入ってきちゃ……ぅ」
 おれと星乃、二本のペニスを受け入れた美耶子は、甘く鼻にかかった声をもらす。
 二本のペニスが美耶子の前後の穴を押し広げながら、それぞれ子宮と直腸をむさぼる。
「あっ! はぁ……っ! んうううっ!」
 美耶子がたまらないように、おれの唇を求めてくる。
「んぅ! んんーっ……むんんん……」
 鼻を鳴らしながら、おれと舌をからめている。
 と、おれの顔の横にもう一人の共演者が現れる。
 すると、美耶子の舌が唾液の糸を引きながらおれからはなれ、三人目の共演者、氷谷豊――美耶子の父親役だ――のペニスにからみつく。そして、愛しげにしゃぶり始めるのだった。
「はぷっ……れろ……パパのおちんちん、おいしいよぉ……」
 ヴァギナ、アナル、オーラル、穴という穴に成人男性の生殖器を打ち込まれた少女は、性的搾取の被害者などではなく、男たちをむしろリードし、全員を射精に導いていく。
 男たちは声なき声をはなって、それぞれのタイミングで射精する。
 そして、挑む穴をかえて、二回戦、三回戦と繰り返す。
 のべ十数回の射精を受けて、美耶子は全身を白く粘つく精液まみれとなり――
「おじさま、せんせ、パパ――みんな、大好き!」
 三本のペニスに順々にキスしていった。
「はいカットー!」
 桃山園がカチンコを鳴らす。
「はい、これで、『LINEで始まる恋だから』、全シーン撮影完了よー、みなさん、お疲れー」
 その宣言により、スタッフ全員が拍手する。
 と同時に、主演女優の美耶子に花束が手渡される。
 数時間におよぶ4Pシーンの撮影に、おれを含む男優陣は疲労困憊だったが、若い美耶子は元気いっぱいで、花束をうれしげに掲げた。
「すっごいうれしい! ドラマもハッピーエンドだし! 最高!」
 人気ドラマ、『LINEで始まる恋だから』の最終回のクライマックスシーン。美耶子と関係を持った三人の男たち――氷谷豊演じる義理の父、星乃源演じる担任教師、そしておれが演じることになった行きずりの男が一堂に会し、美耶子を巡って争ったあげく、けっきょくは全員で美耶子とセックスしまくって、新しい形の家族になる、という展開だ。最終回の2時間スペシャルの後半1時間はこの4Pシーンにあてられている。さらに、実際の撮れ高はその三倍はある。
「いやあ、マジで過酷……キンタマ空っぽですよ」
 歌手兼男優として人気急上昇中の星乃源もげっそりしている。得意のダンスを踊る気力もないようだ。
「ほんとうに、美耶子ちゃんとの共演は命を削りますからね」
 銀縁めがねの位置を指で直しながら言ったのは、大御所の氷谷豊だ。大御所でありながら、濡れ場もスタンドマンを使わず、自分の「愛棒」でこなしきったのはさすがというべきか。
 おれはといえば、最終回という言葉に若干の寂寥感をおぼえていた。このドラマが終わることで、毎週、現場で美耶子と会って、セックスする、という生活は終わる。ここしばらくは美耶子に射精コントロールされているようなものだったので、いささか戸惑いもある。
「香里奈ちゃんのおとーさん」
 バスローブを着た美耶子がおれにハグしてくる。
「おとーさんのおかげで、すごくいいドラマになったよ、ありがと」
「あ、ああ」
 美耶子は、おれの娘・香里奈と同じ学校の生徒だ。一学年、香里奈の方が下だが――
 そのことを知らされてからは、仕事とはいえ美耶子とセックスすることに奇妙な昂ぶりを覚えるようになっていた。そのことを美耶子には気づかれないように努めてはいるのだが、美耶子には見抜かれている気がしてならない。
 美耶子がじっとおれの顔を見上げている。小さいから自然とそうなるのだが、こんなふうに抱き合っていると、娘を、香里奈をだっこしている気分になる。
「ふふ」
 猫のような美耶子のつり目が細められる。楽しんでいるような表情だ。
「すてきなおじさまに、お礼ね」
 背伸びしてちゅっと頬にキスしてくれる。もちろん、こちらがかがんでやらないと届かないのだが――
 これまで、もっと凄いことをしてきているのに、そんな子供っぽいキスがうれしく感じるのは不思議な感覚だ。
「じゃ、またね、香里奈ちゃんのおとーさん」
 言うなり、おれの腕をすり抜けて、氷谷豊、星乃野にも順々にハグとほっぺにチューをしていくのだった。
 終わったな……
 そう思った。仕事でまた美耶子とからむことはあるかもしれない。だが、これまでのような頻度ではないだろう。
 物足りないような、それでいてほっとしたような、感覚。
 だが、その予感は間違っていた。


 まさか。
 クランクアップの翌日、おれは宇多方美耶子にLINEで呼び出された。
 まるでドラマの展開と同じだ。
 これまで一度たりともプライベートで会ったことなどない。
 小学生の美耶子はキャスト同士の食事会や飲み会にも参加したこともない。
 それが――デートの誘い、とは。
 断ることもできた。
 断るべきだったろう。まともな大人なら。
 だが、おれは誘いに応じていた。レギュラーが終了して、ずっと押さえられていたスケジュールにぽっかりと空白ができてしまったということもあるが。
 それよりも、娘との面会を禁じられているおれにとって、娘と一つ違いの美耶子と出かけるというのは妙に心躍ることだったのだ。
 待ち合わせ場所は遊園地で――美耶子は白いワンピースにつば広帽子、おもちゃのようなサングラスをかけていた。いちおう変装のつもりだろうか。
 おれはくたびれたシャツにジャケット、デニムはあちこち破れている。
 いかにも――ああ、そうだな――親子みたいだ。それも、有責で離婚し、親権を失った父親が何ヶ月ぶりかに娘に会うかのような――
「ね、香里奈ちゃんのおとうさん――ってちょっと長いから、おとうさん、って呼んでいい?」
 美耶子にそう言われて、おれはうろたえた。
 そういえば、美耶子には両親がいない――と聞いたことがある。
 胸が痛んだ。
 と同時に、香里奈のことを思うと、ほかの少女におとうさんと呼ばれることに躊躇いも感じた。
「あと、周りの人に怪しまれても――でしょ?」
 それもそうだ。
「あたしのことは香里奈、だよ」
 ――たしかに、美耶子の名前を外で呼ぶのはまずいかも……
 そう思ったときには、もう美耶子のペースに巻き込まれていた。
 おれと美耶子はほんとうの親子のように手をつないでゲートをくぐった。


 美耶子はやはり天才だと思った。普通に遊園地を楽しんでいた。後ろめたさや躊躇いもなく、どこにでもいる子供のようで、だから、誰もそこにいるのが人気子役の宇多方美耶子とは気づかないのだ。
 多くの人々がおれと美耶子を見て、仲の良い親子だと認識していた。だが、実際はおれと美耶子は仕事の上でとはいえ、肉体関係のある男と女なのだった。
 美耶子といるとどうしても、交わったときのことを思い出してしまう。
 美耶子も同じだったのかもしれない。
 手をつなぐときも恋人つなぎをしてきたし、やたらと身体を寄せてくる。
 親子っぽく振る舞いながらも、戯れにおれの股間を触ってきたかと思えば、ワンピースのすそをさりげなくもちあげて、子供パンツを見せつけたり――美耶子の振る舞いはどんどん過激になっていった。
 二人乗りのライドでは、おおっぴらに抱きついてきた。
「おとうさん、こわいからだっこしててぇ」
 周囲には、同じように抱き合っている親子がいる。おれたち以外はみんなほんとうの父娘で、血縁関係ではあっても肉体関係ではないだろう。
「ね、キスして」
 美耶子がねだる。プライベートでは男優とつきあうことのないともっぱらの美耶子が――
 本物の親子に混じりながら――おれたちは舌をからませる。「娘」のパンツに手をつっこんで尻の肉をもみしだき、肛門を左右に広げる。いやらしい「娘」は扇情的に尻を突き上げ、パンツからこぼれた粘膜の華を周囲に見せつける。
 近くを通り過ぎた何組かの親子――その父親の目が剥かれるのを感じた。その後、その父親たちが自分の娘にどんなスキンシップを試みたか――それはわからない。
 望むらくは、世の父親たちの自制が保たれんことを――


 お化け屋敷にも入った。美耶子のリクエストだった。噂では美耶子は極度の恐がりと聞いていたから意外だった。
「おとうさん、手つないでてね」
 美耶子は本気で怖がっているようで声が震えていた。
 お化け屋敷のなかは真っ暗で、一歩先もわからないくらいだった。
「きゃっ」
 美耶子が声をあげて、手が離れた。つまずいたのか――
「美耶子――?」
 声をかけると、おれの手を小さな手がぎゅっと握ってきた。
「だいじょうぶか?」
 返事はないが、指にかかる力が増した。
 そのしっとりとした感触におれは――
 思わず少女を抱きしめていた。
 懐かしい匂いが鼻腔を満たした。お日様の匂いのする髪――
「香里奈――」
 その名前を呼んだ。
 おれの腕の中で少女の身体が震える。
 この感触は――懐かしさがこみあげる。
「おまえは――」
 言いかけて気づいた。魔法の時間はすぐに終わる。
 腕の中から、いとおしい感触が抜け落ちる。
 その空虚感に胸を突かれる。そして――
「おとうさん、こっちだよ?」
 お化け屋敷の出口から光がさしこみ、美耶子が手招きしていた。

つづく



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Date:2018/05/20
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