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超世紀莫迦 WEBLOG

□ 南国のパラダイムシフト □

うたかたの天使たち 美耶子のおしごと! 南国のパラダイムシフト(3)

    断章 ロリーナ王国素描(1)
  
  日本からロリーナ王国(ちなみに略すと炉国)へは一日に一便だけだが直行便がある。
 各国の便にいたっては、定期便はほとんどなく、チャーター便が大半を占める。航空会社の乗り入れに厳しい制限があるのだ。入国審査も厳しく、ビザなしで入国できるのは世界中で日本人だけだ。
  ロリーナ国際空港は規模的には――日本の地方都市の空港くらいだろうか。こぢんまりとしていて、清潔で、設備は新しい。
  空港の施設も、現地語、英語、日本語で案内が書かれている。
  現地のひとびとの顔だちや雰囲気は日本人のそれにも通じる。肌は浅黒いが、モンゴロイドの血が混ざっているのだろう。それでいて、初期の移民に欧州系が多かったせいか、金髪や青い目をした人も少なくない。概してハーフっぽい美形が男女問わず多い。
  食生活も、近海からとれる魚と、地元の野菜や穀物を中心にしており、極端に太った人はほぼ見かけない。これが、南洋の島でもタヒチなどとはちがうところだ。
  日本人っぽい親しみやすい容貌に、エキゾチックな肌と金髪、そしてスレンダーな肢体。それがロリーナ王国の一般的な人々の姿だ。
  ロリーナ人は若くして結婚し、パートナーを替えて死ぬまで結婚生活を続けるから、「独身」がほとんどいない。みな、誰かしらと寄り添って歩いている。中年の男と十二歳くらいの少女が手をつないで歩いていたら、親子である可能性と夫婦である可能性は半々くらいだ。
 他の国では罪でも、この国では合法、ということはいろいろある。
 子供とのセックスはこの国では合法どころか、習俗的に奨励されている。
 子供は十歳から十五歳くらいまでにだいたい結婚するし、それに満たない年齢の子供たち――第二次性徴前の子供との性行為も、強制でなければ、問題ない。
 そのために、というべきか、ロリーナ王国では性犯罪というものがほとんど発生しない。特に年少者に対する性的暴行は何十年か、あるいはそれ以上の期間、まったく起きていないらしい。
 窃盗が多少あるくらいで、殺人など凶悪な犯罪がまるで起きないのもこの国の特徴だ。
 日本が問題にならないくらいに治安がいいのだ。
 これについては、ロリーナ王国の性的習慣に起因するもの、という説がある。
 ロリーナの人々は、結婚後も多人数との性行為を頻繁におこなう。近所づきあい=乱交といってもいいくらいだ。日本で言えば、フォークダンスで相手を替えるくらいの感覚でセックスする。
 人々が性行為を通じて広くつながっており、暴力行為に至りそうな段階になると、調整がはいるのだ。つまり、対立するグループが性的に交わることで、トラブルを未然に防いでしまうらしい。これは霊長類のボノボにも見られるメカニズムだ。
 ロリーナ王国は数百年の歴史を持つ国だが、島国のために他国の侵略はおろか、内乱もほとんど経験していない。
 二〇世紀の一時期に日本の委任統治を受けたのがほとんど唯一の外国との接触で、その時期にロリーナ王国は急速に発展した。ロリーナ王国の公用語のひとつに日本語が含まれるのはその名残だ。
 だが、ロリーナ王国と日本の関係がいっそう深まったのは二一世紀にはいってからだ。
 きっかけは、AV――アダルトビデオである。
 ロリーナ王国の性的文化は特殊で、諸外国の規範とはかけ離れていた。そのことについて、ロリーナ人も一種の「引け目」を感じていたのだが、ある時期に日本からアダルトビデオやエロマンガなどのコンテンツが流入した。
 そこで描かれる性愛感が、ロリーナ人には非常にマッチしたらしく、「文芸作品」を輸入する感覚で、日本のポルノ作品が広まった。
 日本のAVやエロマンガが、「教科書」のように受け入れられたのだ。
 彼らにしてみれば、「異端」として蔑まれていた性文化に、「先進国」のお墨付きをもらったようなものだった。
 ロリーナ王国は一気に日本との距離を詰めた。
 ネットの時代になり、サーバのある国の法律に従ってコンテンツが管理されるようになると、ロリーナ王国の希少性が際立った。
 子供とのセックスが合法の国はまず存在しない。しかも、文化的に洗練され、国民の知的水準や衛生観念も一定以上に高い、という条件をクリアできるのはロリーナ王国しかなかった。
「ロリTV」の運営会社が日本との合弁で設立され、世界中にコンテンツが配信されるようになった。
 その経済効果は計り知れなかった。サーバ運営は、ロリーナ王国の基幹産業になった。
 貧しかった島国が、一人当たりのGDPではヨーロッパの中堅国に匹敵するようになったのだ。


 ロリーナの少女たちは、たいてい「はいてない」。
 民族衣装は貫頭衣のようなドレスに、色とりどりの「帯」を巻き付けるスタイルで、とてもかわいらしい。だが、裾は短く、しかも「はいていない」ので、いたるところで「ワレメ」を鑑賞できる。
 ロリーナ人は前述のとおり、日本人に顔だちが近く、かつ、欧米の血も混じっていてスタイルがよい。浅黒い肌に金髪、青い瞳、そして日系の顔だちの美少女――というパターンが多いのだ。
 そんな女の子たちのワレメが見放題とはどういうことか――
 たとえば、マック(ロリーナにもスタバやマックはある)で、座っている女の子たちのワレメはいくらでも覗くことができる。
 日本のJKよりも裾が短いから、ちょっとした仕草で見えてしまうのだ。
 そんな彼女たちは、カメラをかまえたら、にっこり笑ってピースサインをしてくれるだろう。
 ロリーナ人の少女はフレンドリーで、写真を撮られることにも抵抗がないのだ。
 頼めば、くぱあして写真に収まってくれるかもしれない。
 あまりに開けっぴろげでこちらが赤面するほどだが、それもロリーナ王国ならではの文化らしい。
「旅人には親切に」
 というルールが小さな子にも徹底されている。
「知らない人とセックスしてはいけない」というルールがないどころか、むしろ、「知らない人とセックスしたほうがより幸せになれる」という考え方が一般的なのだ。
 ちなみに、ロリーナ王国には「娼婦」はいない。「売春」という商売が成立しない世界で唯一の国かもしれない。
 女の子を誘うときに、難しい手順は要らない。顔を見合わせて、相手が笑顔を浮かべれば、まずOKだ。
 ただし、しっかりと愛撫して、相手を気持ち良くさせてあげないと、次はないかもしれない。
 また、小さすぎる子の場合はケガをさせないよう気をつけなければいけない。
 そのため、ロリーナ王国の男は誰でも、必ずローションを持っている。
 ローションを使えば、だいたい六歳以上の子であれば挿入可能だ。
 小学校からセックスの実践授業が必修の国――だけはある。
 ロリーナには性犯罪はないと言ったが、法的には、小さな子とセックスし、相手が痛がるのを無視して傷つけた者には厳しい罰則がある。刑罰は麻酔なしでの男根切除だ。女性が性犯罪を犯した場合は陰核切除。こうしたところにも男女平等が貫かれている。
 だが、実際には処罰が必要なレイプ事件は、まず起きることはないという。
 ロリーナ王国では、まっとうに生きてさえいれば、セックスの相手には事欠かない――性的に欝積した想いを持つ必要が無い――そういう社会だからかもしれない。
 ちなみにロリーナ人の平均寿命は日本人に匹敵する長さらしい。医療の発展度では日本のほうがはるかに上だが、ロリーナ人は純粋にストレスを抱えることがなく、病気もしにくいのだ。
 女性の死因の第一位が「老衰」で、男性のそれが「腹上死」らしいから、なんとも幸せな国だ。

                                                          つづく



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Date:2020/01/14
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