びっちな美耶子の一週間! (11)
2013/09/21 【びっちな美耶子の一週間!】
[土曜日] ユーザーイベント(秋葉原) その2
美耶子は見せパンを会場に投げた。大歓声、争奪戦――会場が確かに揺れた。だが、それ以上の騒ぎにならなかったのは、パニックを起こしてしまうとイベントが間違いなく中止になるというギリギリの分別が働いたからだろう。
ネット上でもコメントが爆発した、大半は「現地組うらやましすぎ」というものだ。
美耶子はステージを歩き回りながら歌ってみせる。まるで本物のアイドルのようだ――いや、いま美耶子はアイドル歌手を「演じて」いるのだ。美耶子の演技力はステージに本物のアイドルを出現させてしまう。
♪ 「はいてる? はいてない!?」
はいているとか はいてないとか
どうしてそんなこと気にするの?
こんな薄い布きれ一枚で
わたしのことを縛らないで
はいてるわたしはとってもおしとやか
お嬢様みたいに気取って歩くわ
意地悪な風がスカートめくっても
軽く手でおさえてスキップするの
はいてないわたしはもっと自由だわ
男の子みたいに駆け回りたい
短いスカートなんかじゃ守れない
秘密の花園見つけてね
今日のわたしはどっちかな?
はいてる? はいてない!?
今日のわたしを当ててみて!
はいてる? はいてない!?
それは、あなた次第なの
間奏に入るとソロダンスパートだ。
「WONDER12」のユニットなら、五人のメンバーが入れ替わり立ち替わりで踊るところだが、ここは美耶子一人だ。
『はいてる? はいてない!?』
観客が完璧にタイミングを揃えて合いの手を入れる。
美耶子はくるりとターンして、青白の縞パン――シルクの薄手のやつ――を見せた。
「はいてるよ!」
おおおお、と盛り上がる会場。見せパンという伏線をあらかじめ張ってあるから、この生パンは嬉しいはずだ。
しかも青と白の縞パンは「おにいちゃん大好き!」でのパンチラシーンの定番だったし、ファンにとっては思い出深いアイテムのはずだ。
『はいてる? はいてない!?』
2回目のソロダンス。
美耶子はくるっと背中を向けて、おしりを突き出した。いつの間にか、おしりを覆う部分をふんどしのように細くして、おしりの山が露出するようにしている。
「はいてるったら!」
いや、ケツ見えてるし。
会場絶叫、動画上のコメントは悲嘆に染まる。「なぜ俺はあそこにいない!?」
『はいてる? はいてない!?』
3回目のターン。
ステージの奥に移動した美耶子はすっと腰をかがめ――
「脱いじゃった!」
青白のストライプの小さな布をかざして見せる。
おい、そこまでやるか――やるよな、美耶子なら。
会場のボルテージはMAXを超えていた。
美耶子はパンティを会場に投げ込むモーションをして、ストップ。
「これは、生放送を見てる人にプレゼントするね。応募方法はファンクラブのホームページで!」
おい。何も考えてないだろ。あのページを管理してるのはおれなんだぞ。どうやって応募と抽選やりゃあいいんだ。
とまれ、生放送組にも生きる希望がわいてきたらしい。コメントにも希望に満ちたものが増えてきた。
そうこうするうちに4回目のコール。
『はいてる? はいてない!?』
「もちろん!」
美耶子はステージの最前部まで進み、自分でスカートを盛大にめくり上げる。
両脚を開いて立っている、美耶子のまっすぐで細い脚の間に、会場内のすべての視線が集中する。
「はいてないよ!」
美耶子のワレメが、500人のファンの前で開帳された。ネット配信では一万人を超えていたろうか。
歓声、狂喜、興奮――ポジティブな感情の塊が会場全体に、ネットワークのそこかしこで、爆発する。
この瞬間、確かに世界のある一部は、一切の哀しみや苦しみ、人を傷つけるネガティブな感情から解放され、幸福感、高揚感のみに満たされていた。
会場も、ネットも完全にひとつになっていた。
最後の、一番大切なコール。センターの美耶子のソロダンスを呼び込むコール。
『はいてる? はいてない!?』
ものすごい大歓声が――
美耶子はたぶんこの瞬間、イッてたと思う。これだけの視線、一体感、そして、愛され、求められているという実感。
それはエクスタシーにつながる。
極まった美耶子はバレリーナさながらに脚をピンと伸ばし、立ったまま開脚ポーズをとる。
これ以上はないというくらいのくぱあだ。正面カメラに向かって、完全にワレメが開き、膣口まで見えている。クリトリスも尿道孔も。肛門ももちろん。
「もうパンツなんかはかないよ! みんな、大好き!」
会場は歓喜の声に包まれ、「生きてて良かった」の大合唱がとどろいた。
生配信でもカメラに向かってのフルくぱあのおかげで昇天者が続出した。
実際、やばいところだった、イッてしまった美耶子を回収し、イベント会場裏のクルマに移動した。
あのままだと、美耶子は自分で観客の中にダイブしかねなかった。もしそんなことをしていたら、興奮の極みの観客たちに輪姦されていたかもしれない。いや、意外に丁重に扱われた可能性もあるが――
とまれ、すっきりした顔をして寝息をたてはじめた美耶子を眺めながら、この事態をどう収拾するか頭を悩ませるおれであった。
まあ、後日談的には、「お兄ちゃん大好き!」のDVD&ブルーレイボックス・リパッケージ版はバカ売れした。発売記念イベントの様子をおまけディスクにして添付するようにしたからだ。購入済みのユーザーにも行き渡るように、そこはパブリッシャーが頑張ったということもある。
あのイベントはファンの間で「伝説」となり、会場に居合わせた500人はその目撃者として仲間内から羨ましがられる存在となった。
おそらく今後も似たようなリパッケージ商法が行なわれることだろう。その際に美耶子がイベントに引っ張り出されても、あまり派手なことはしないように言い含めておくしかない――無駄だろうけど。
おつかれー、またね!
びっちな美耶子の一週間! (10)
2013/09/21 【びっちな美耶子の一週間!】
[土曜日] ユーザーイベント(秋葉原) その1
やっとこさ今週も終わりだ。
ゆっくり休みたいところだが、実は子役タレントは休みの日の方が忙しい。学校がない分、仕事を入れやすいからだ。
この日は朝から、雑誌取材に歌のレッスン、次週のドラマ撮影の脚本読み、イベント出演など、分刻みでスケジュールが詰まっていた。
仕事は絞り込むようにしているのだが、どうしても断り切れない仕事に限ってさえ、こなしきれないほどだ。
だが、美耶子はいたって元気だ。
どの現場でもいやな顔ひとつしない――おれ以外の誰かがいるときには。
基本、外面が良いキャラなのだ。その反動でとばっちりを受けるのはおれの役割である。
「ゆーいち、ジュース買ってきて」
「ゆーいち、肩もんで、あと脚も」
「ゆーいち、焼きプリンが食べたい」
「ゆーいち、おもしろいことゆって」
などといった突発リクエストは日常茶飯事。
「この脚本だめだと思う。リテイクかけて」
「企画がつまんない。イミフ」
といったことも言ってくる。ほっておくと、偉いさん相手にも「にこにこしながら」本当のことを言いかねないため、おれが間に立って書き直しを依頼したり、企画の代替案を出したりしなければならない。そのため、業界内でおれの評判はすこぶる悪い。
いわく――宇多方美耶子のマネージャーは素人のくせに現場に細かく口を出してくるらしい。
まあ、しょうがないけどな。
土曜日最後の仕事は、ファン向けのイベントへの出演だった。
場所は秋葉原だ。
美耶子が出演したドラマのDVD&ブルーレイボックス発売記念イベントである。
「おにいちゃん大好き!」シリーズの総集編というか、リパッケージ版。
はっきり言えば、ファン向けのコレクターズアイテムであって、本編に新しい要素はない。未公開シーンがちょっと追加されているとか、あんなシーンやこんなシーンが前よりハッキリ見えるようになったとか、そんな程度のおまけもない。
それでも濃いファンは、パッケージが変わっただけで、何万円もするセットを買いなおすのだ。同じような内容の映像ソフトをもう持っていても、だ。
美耶子にとっても出世作ではあるので、このシリーズの関連商品の販促にはできるだけ協力するようにしている。
とはいえ、さすがに「えぐい商売だよなあ」と思わざるをえない。
美耶子も同感らしく、今回は気があまり乗らないようだった。
イベント会場は秋葉原YDX。秋葉原では有名なイベントスペースだが、DVD&ブルーレイボックス購入者向けイベント参加券は瞬く間に配布終了。500人の定員がいっぱいになった。信じられるか、そいつら全員、「もう持ってる」はずのドラマのDVD&ブルーレイボックスを何万もかけて買いなおしたんだぜ。秋葉原だけでもその何倍もの購入者がいて、全国だったら、さらに――だ。その全国の購入者向けにイベント会場の動画は生配信されることになっている。
美耶子はドラマのキャラに合わせてツインテールの髪型にしていた。衣装もそれっぽいタンクトップとミニスカートだ。スカートの下は見せパンをはかせている。この手のイベントでは必ず盗撮野郎が出没するからだ。
イベント会場はファンの熱気で実になんというか……臭かった。この臭気だけは馴れることはむずかしい。彼らファンが美耶子をサポートしてくれる大切な存在だとしても、まあ、生理的にむずかしいところはあるのだ。すまん。
イベントが始まった。
前半はドラマの原作者やら主題歌を担当したアーティストやらが登場してのトークセッション&ミニライブだったが、大半の客の目当ては美耶子なので、盛り上がらないことといったら。
ディレクターの桃山園が出てきたコーナーは、場内いっせいにブーイングが巻き起こったほどだ。
生配信されている動画上でも桃山園へのコメントはひどいものだった。
ど変態、ロリペド、くされチンコ、無能演出家、サングラスが似合ってない、脚が短すぎる、明らかにハゲてる、くさそう。
桃山園がガチで落ち込んでいるのを見るのはちょっと痛快だったが。
そして、イベントも終盤になりようやく美耶子の登場だ。
よみがえる場内のテンション。
女性MCの司会で、美耶子が撮影時の想い出を語るというありがちな趣向だが、まあ、いろいろハプニングもあったシリーズなので、ちょっとボカしつつも裏話を美耶子が披露すると場内はおおいに盛り上がった。撮影中のポロリ話とかは鉄板だよな。
下ネタつながりで、「実は、今日スカートの下に穿いてるのは見せパンです」と告白し、スカートをめくってみせた時などは最高の盛り上がりを見せた。
こういうトーク力をいったい、いつ身につけたんだろうな。感心するよまったく。
順調にメニューを消化していき、最後のコーナー「ファンからの質問」となった。これが終わったら、美耶子は一曲歌って、イベント自体終了となる。
「ファンからの質問」コーナーは、ファンの代表者からの質問に美耶子が答えていく趣向だが、質問者はあらかじめ決まっていて、内容も主催者のチェック済みのあたりさわりのないものだ。
好きな食べ物はなんですか
共演者のなかで仲のよいひとは
休みの日にはなにをしてますか
すきな男の子のタイプは
などなど。
美耶子がこれまで何十回も答えてきたような質問ばかりで、ファンなら当然暗記して当然の内容だ。
さすがに美耶子もイラっとしてきたようだ。
「えっとぉ、じゃあ、わたしからいいですか? 会場のお客さんに質問して」
台本にない提案をされてMCは一瞬戸惑ったようだが、流れ的にダメというわけにもいかず、それを受け入れた。
このとき、おれもちょっといやな予感はしたのだが……
「えー、この会場の中で『おにいちゃん大好き! コンプリートボックス』を持ってる人ぉ」
今回のリパッケージ版の前に出たセットだ。確か限定発売で八万くらいしたはずだ。
会場の客の過半数が手をあげた。おお、濃いな。
「えーと、じゃあ、よりぬき傑作選ボックスを持ってる人」
これも半分近くが手をあげる。
「じゃあじゃあ、スーパーパーフェクトボックスはぁ」
これも半分以上。
「じゃーねえ、オリジナル版を1枚ずつ買って揃えた人」
半数を大きく超えて――七割超えかもしれない。
「うわ……みんな、はじめの頃から応援してくれてたんだね、ありがとう」
美耶子が感極まったように手を振ると、観客も絶叫で返す。
これはこれで感動的なフィナーレにつながりそうだ、と思ったときに美耶子が爆弾を投げつけた。
「でも、今回のリパッケージ版、ぼってるよね」
さらっと。
言っちゃった。
「だって、はっきりいってパッケージ変わっただけでしょ。それなのに、みんな買い直しちゃったんだよね……それってお金の無駄だよ」
ざわざわざわ……
観客がただならぬ雰囲気を感じてざわめく。
「じゃ、じゃあ質問コーナーはこれで終わりに――」
まずいと思ったかMCがコーナーを締めようとする。それを手で制した美耶子。
「み、美耶子ちゃん……?」
「ごめんなさい! 今回のリパッケージ版は、正直、こんな値段で買ってもらえる商品じゃなかったと思う。せめて、新しい映像やインタビューとか、新しく買ってもらえるような内容を付け加えるべきでした。出演者の一人として、買ってくれたみなさんにあやまります!」
おおおおお、と観客たちが吠え立てる。美耶子コールが起きる。
「そして、みんなのまわりの人で、まだ買ってない人には、リパッケージ版は買わなくてもいいよって、広めてください!」
この発言に主催者側は泡をふいて慌てだす。
イベントを急遽中止させようとするが、そんなことをしたら暴動が起きる、と、おれは忠告した。
実際、美耶子をステージから引きずり下ろそうとでもしたら、五〇〇人の客がそのまま暴徒になりかねない。
「あの、メーカーの人、聞いてたらお願いします! もし、今後、こういう商品の企画があるんだったら、一出演者として新作映像でもなんでも出ますから、もうこんなファンの人を食い物にするような商品は出さないでください!」
言い切っちゃったよ。いちおう、このリパッケージ版を企画・発売したのは超大手のパブリッシャーなんだけど……
美耶子コールがすさまじい。会場は大騒ぎだった。
ただ、中には批判的な声もなくはなかった。
「美耶子ちゃんがそう言ったって、今回何万も出してリパッケージ版を買った我々はどうなるの? 返品に応えてくれるの?」
正論だ。
だが、ここで、もし美耶子が「返品に応えます」と言った類の発言をしてしまったら、全国でパニックが起きてしまう。パブリッシャーだけではなく、全国のショップが大混乱するだろう。
その声に対して、おれの美耶子は――
そのまま迎合せず、といって否定もせず、聞こえなかったふりも――しなかった。
かわりに行動した。
スカートの下にさっと手を入れて、ずいっとずりさげた。見せパンを脱ぎ捨てたのだ。
「今回の映像特典を、ここで提供しまーす! リパッケージ版ご購入者のみなさん、どうか、これで許してね!」
見せパンを指先にかけてくるくると回す。
音楽が流れ出す。おれが音響スタッフを脅して――じゃない、促して流させたのだ。もともとコーナー終わりに歌うはずだった、「はいてる? はいてない!?」のカラオケだ。
そして一週間のおわり……
やっとこさ今週も終わりだ。
ゆっくり休みたいところだが、実は子役タレントは休みの日の方が忙しい。学校がない分、仕事を入れやすいからだ。
この日は朝から、雑誌取材に歌のレッスン、次週のドラマ撮影の脚本読み、イベント出演など、分刻みでスケジュールが詰まっていた。
仕事は絞り込むようにしているのだが、どうしても断り切れない仕事に限ってさえ、こなしきれないほどだ。
だが、美耶子はいたって元気だ。
どの現場でもいやな顔ひとつしない――おれ以外の誰かがいるときには。
基本、外面が良いキャラなのだ。その反動でとばっちりを受けるのはおれの役割である。
「ゆーいち、ジュース買ってきて」
「ゆーいち、肩もんで、あと脚も」
「ゆーいち、焼きプリンが食べたい」
「ゆーいち、おもしろいことゆって」
などといった突発リクエストは日常茶飯事。
「この脚本だめだと思う。リテイクかけて」
「企画がつまんない。イミフ」
といったことも言ってくる。ほっておくと、偉いさん相手にも「にこにこしながら」本当のことを言いかねないため、おれが間に立って書き直しを依頼したり、企画の代替案を出したりしなければならない。そのため、業界内でおれの評判はすこぶる悪い。
いわく――宇多方美耶子のマネージャーは素人のくせに現場に細かく口を出してくるらしい。
まあ、しょうがないけどな。
土曜日最後の仕事は、ファン向けのイベントへの出演だった。
場所は秋葉原だ。
美耶子が出演したドラマのDVD&ブルーレイボックス発売記念イベントである。
「おにいちゃん大好き!」シリーズの総集編というか、リパッケージ版。
はっきり言えば、ファン向けのコレクターズアイテムであって、本編に新しい要素はない。未公開シーンがちょっと追加されているとか、あんなシーンやこんなシーンが前よりハッキリ見えるようになったとか、そんな程度のおまけもない。
それでも濃いファンは、パッケージが変わっただけで、何万円もするセットを買いなおすのだ。同じような内容の映像ソフトをもう持っていても、だ。
美耶子にとっても出世作ではあるので、このシリーズの関連商品の販促にはできるだけ協力するようにしている。
とはいえ、さすがに「えぐい商売だよなあ」と思わざるをえない。
美耶子も同感らしく、今回は気があまり乗らないようだった。
イベント会場は秋葉原YDX。秋葉原では有名なイベントスペースだが、DVD&ブルーレイボックス購入者向けイベント参加券は瞬く間に配布終了。500人の定員がいっぱいになった。信じられるか、そいつら全員、「もう持ってる」はずのドラマのDVD&ブルーレイボックスを何万もかけて買いなおしたんだぜ。秋葉原だけでもその何倍もの購入者がいて、全国だったら、さらに――だ。その全国の購入者向けにイベント会場の動画は生配信されることになっている。
美耶子はドラマのキャラに合わせてツインテールの髪型にしていた。衣装もそれっぽいタンクトップとミニスカートだ。スカートの下は見せパンをはかせている。この手のイベントでは必ず盗撮野郎が出没するからだ。
イベント会場はファンの熱気で実になんというか……臭かった。この臭気だけは馴れることはむずかしい。彼らファンが美耶子をサポートしてくれる大切な存在だとしても、まあ、生理的にむずかしいところはあるのだ。すまん。
イベントが始まった。
前半はドラマの原作者やら主題歌を担当したアーティストやらが登場してのトークセッション&ミニライブだったが、大半の客の目当ては美耶子なので、盛り上がらないことといったら。
ディレクターの桃山園が出てきたコーナーは、場内いっせいにブーイングが巻き起こったほどだ。
生配信されている動画上でも桃山園へのコメントはひどいものだった。
ど変態、ロリペド、くされチンコ、無能演出家、サングラスが似合ってない、脚が短すぎる、明らかにハゲてる、くさそう。
桃山園がガチで落ち込んでいるのを見るのはちょっと痛快だったが。
そして、イベントも終盤になりようやく美耶子の登場だ。
よみがえる場内のテンション。
女性MCの司会で、美耶子が撮影時の想い出を語るというありがちな趣向だが、まあ、いろいろハプニングもあったシリーズなので、ちょっとボカしつつも裏話を美耶子が披露すると場内はおおいに盛り上がった。撮影中のポロリ話とかは鉄板だよな。
下ネタつながりで、「実は、今日スカートの下に穿いてるのは見せパンです」と告白し、スカートをめくってみせた時などは最高の盛り上がりを見せた。
こういうトーク力をいったい、いつ身につけたんだろうな。感心するよまったく。
順調にメニューを消化していき、最後のコーナー「ファンからの質問」となった。これが終わったら、美耶子は一曲歌って、イベント自体終了となる。
「ファンからの質問」コーナーは、ファンの代表者からの質問に美耶子が答えていく趣向だが、質問者はあらかじめ決まっていて、内容も主催者のチェック済みのあたりさわりのないものだ。
好きな食べ物はなんですか
共演者のなかで仲のよいひとは
休みの日にはなにをしてますか
すきな男の子のタイプは
などなど。
美耶子がこれまで何十回も答えてきたような質問ばかりで、ファンなら当然暗記して当然の内容だ。
さすがに美耶子もイラっとしてきたようだ。
「えっとぉ、じゃあ、わたしからいいですか? 会場のお客さんに質問して」
台本にない提案をされてMCは一瞬戸惑ったようだが、流れ的にダメというわけにもいかず、それを受け入れた。
このとき、おれもちょっといやな予感はしたのだが……
「えー、この会場の中で『おにいちゃん大好き! コンプリートボックス』を持ってる人ぉ」
今回のリパッケージ版の前に出たセットだ。確か限定発売で八万くらいしたはずだ。
会場の客の過半数が手をあげた。おお、濃いな。
「えーと、じゃあ、よりぬき傑作選ボックスを持ってる人」
これも半分近くが手をあげる。
「じゃあじゃあ、スーパーパーフェクトボックスはぁ」
これも半分以上。
「じゃーねえ、オリジナル版を1枚ずつ買って揃えた人」
半数を大きく超えて――七割超えかもしれない。
「うわ……みんな、はじめの頃から応援してくれてたんだね、ありがとう」
美耶子が感極まったように手を振ると、観客も絶叫で返す。
これはこれで感動的なフィナーレにつながりそうだ、と思ったときに美耶子が爆弾を投げつけた。
「でも、今回のリパッケージ版、ぼってるよね」
さらっと。
言っちゃった。
「だって、はっきりいってパッケージ変わっただけでしょ。それなのに、みんな買い直しちゃったんだよね……それってお金の無駄だよ」
ざわざわざわ……
観客がただならぬ雰囲気を感じてざわめく。
「じゃ、じゃあ質問コーナーはこれで終わりに――」
まずいと思ったかMCがコーナーを締めようとする。それを手で制した美耶子。
「み、美耶子ちゃん……?」
「ごめんなさい! 今回のリパッケージ版は、正直、こんな値段で買ってもらえる商品じゃなかったと思う。せめて、新しい映像やインタビューとか、新しく買ってもらえるような内容を付け加えるべきでした。出演者の一人として、買ってくれたみなさんにあやまります!」
おおおおお、と観客たちが吠え立てる。美耶子コールが起きる。
「そして、みんなのまわりの人で、まだ買ってない人には、リパッケージ版は買わなくてもいいよって、広めてください!」
この発言に主催者側は泡をふいて慌てだす。
イベントを急遽中止させようとするが、そんなことをしたら暴動が起きる、と、おれは忠告した。
実際、美耶子をステージから引きずり下ろそうとでもしたら、五〇〇人の客がそのまま暴徒になりかねない。
「あの、メーカーの人、聞いてたらお願いします! もし、今後、こういう商品の企画があるんだったら、一出演者として新作映像でもなんでも出ますから、もうこんなファンの人を食い物にするような商品は出さないでください!」
言い切っちゃったよ。いちおう、このリパッケージ版を企画・発売したのは超大手のパブリッシャーなんだけど……
美耶子コールがすさまじい。会場は大騒ぎだった。
ただ、中には批判的な声もなくはなかった。
「美耶子ちゃんがそう言ったって、今回何万も出してリパッケージ版を買った我々はどうなるの? 返品に応えてくれるの?」
正論だ。
だが、ここで、もし美耶子が「返品に応えます」と言った類の発言をしてしまったら、全国でパニックが起きてしまう。パブリッシャーだけではなく、全国のショップが大混乱するだろう。
その声に対して、おれの美耶子は――
そのまま迎合せず、といって否定もせず、聞こえなかったふりも――しなかった。
かわりに行動した。
スカートの下にさっと手を入れて、ずいっとずりさげた。見せパンを脱ぎ捨てたのだ。
「今回の映像特典を、ここで提供しまーす! リパッケージ版ご購入者のみなさん、どうか、これで許してね!」
見せパンを指先にかけてくるくると回す。
音楽が流れ出す。おれが音響スタッフを脅して――じゃない、促して流させたのだ。もともとコーナー終わりに歌うはずだった、「はいてる? はいてない!?」のカラオケだ。
そして一週間のおわり……
びっちな美耶子の一週間! (9)
2013/09/20 【びっちな美耶子の一週間!】
[金曜日]ドラマ撮影(スペシャルドラマ「美耶姫異聞」) その4
まるで、それこそが現実のようだった。
おれは完全に引き込まれていた。カメラや照明、音声その他のスタッフがいることも忘れ、ただただ、南小路と美耶子の演技――完全に即興だ――に見入っていた。
スタッフたちもきっとそうだったろう。ギリギリのプロ意識で自分の仕事は果たしつつも、目の前の情景に心を奪われていたにちがいない。
南小路は、逃げようとする美耶子を背後から押さえつけた。
もがくが、美耶子は小柄な少女。尻を掲げさせられ、屈辱的な姿勢をとらされる。
南小路欣也の股間は隆々とそそり立っていた。勃起不全など、とんでもない。使い込まれた、現役バリバリのペニスだった。亀頭は大きくエラをはり、竿は反り返り裏筋が見えるほどだった。
「まさか……勃起しないようにコントロールしてたとはね……」
桃山園が驚愕の声をもらす。
「これが大御所クラスの俳優の実力……」
南小路欣也は、美耶子をバックから貫いた。
「あっ――あぁぁぁぅやぁああーーーーーっ!」
美耶子がのけぞり絶叫する。
巨根が美耶子の膣を限界まで押し広げているのがわかる。
竿の半分どころか、三分の一くらいしか埋まっていないのに、子宮まで亀頭は届いているだろう。
かるく出し入れするだけで、子宮ごと貫かれている。
「おお、美耶姫――やわ魔羅でほぐしておいただけあって、いい具合に馴染んでおるぞ。子袋も巾着のように締めつけてきて良い具合じゃ」
南小路は笑いながら美耶子のおなかをさする。
「おう、こうすれば、中に入っておるわが魔羅の形もよくわかる」
「うっ、ああああああっ!」
美耶子の身体を持ち上げる。今度は逆駅弁の形で、美耶子のお腹をカメラに見せつける。
南小路のペニスが美耶子の胎内を擦り立てるさまが、腹部の陰影でわかる――
結合部は見えないのに、ガチ交尾の様子が見て取れる驚愕のアングルだ。
「いっああああああ! や、やばい、やばいよおおおおっ!」
美耶子の声がうわずり、現代語が思わず混ざる。
「おなかのなか……ぐちゃぐちゃになっちゃ……うふっああああああっ!」
「いい具合だ、気持ちいいぞ、美耶姫。そうら、もっと感じろ、はらわたの感覚に身をゆだねるのだ!」
美耶子の両の腕をつかみ、前に投げ出すようにする。両腕と結合部の三点だけで体重を支えることになり、挿入がさらに深まる。
「あああああ……つき……ぬけるぅ!」
子宮を槍で突き上げられているような形だ。美耶子は涙とよだれをたらして虚空を見ている。
「危険だ! やめさせよう!」
幼い美耶子の膣は大人にくらべれば狭く短い。そこに並外れて大きな南小路のペニスを根元近くまで挿し込まれたら、最悪の事態も考えられる。
飛び出そうとするおれを桃山園がまたもさえぎる。
「行かせないわよ――あたしにとっても一世一代の撮影なのよ。こんなものすごいシーン、二度と撮れないわ」
「美耶子が死んじまうぞ!」
「だから、だいじょうぶなのよ。南小路欣也を、そして宇多方美耶子を信じるの――ね、お願い!」
桃山園が泣きそうな顔で懇願する。ばかな。だって、美耶子はあんなに苦しそうに――
「あ……ああ……はああ……」
美耶子は蕩けていた。
激しく南小路にバックから、逆駅弁で突かれながら――突かれる度に脚をぴーんと伸ばし、足指をきゅっとさせながら。
「すごい……これすごい……よぅ……おなかとけちゃうよぉ……」
子宮を突かれ続け、そこに快感を発生するようになったのか――
ボルチオオーガズムを覚えてしまったのか。
年端もいかない少女が――
いや、違う。子宮を性感帯に変えられたのは美耶姫だ。
美耶姫は巫女で、特別な力を持っている。
これまでの行為はすべて、この状態に美耶姫を導くためだったのだ。
「子袋の準備が整ったか――今こそ見せてもらうぞ、その巫女の力――その幼きはらわたにわが種を注いで、あやかしどもの主を孕ませてくれる」
さらに激しく男根を突き立てる。まるで、子宮そのものをかきませるかのように。
「あああああっ! いくううっ! おなかのなかがトロけて、いくぅうううっ!」
美耶姫が絶叫する。
「こ、こんなのすごすぎるよおおっ! おじいちゃんのおっきいチンポが、美耶のおまんこのなかでいっぱいになって……おなかのいちばん奥をぐちゃぐちゃにしちゃってるのぉおおおっ!」
「よおおし、では出すぞ、美耶姫! わが子種を、受け取るがよいわ!」
悪徳大名はひときわ大きく美耶姫を二度、三度と突き上げる。
「いくっ! いくうっ! いきつづけてりゅううううううっ!」
「おうっ!」
びぐっ! びぐびくびぐっ!
美耶姫の痙攣的な動きで、大量の精液が美耶姫の子宮内に撃ち出されたのがわかる。わかってしまう。
「でてりゅ……しゅごい熱いのが……おなかのおくでぇ……ああああああっ! いくっいくっ、いくぅーーーーーーっ!」
断末魔のような声をあげつつ、美耶姫は壮絶に気をやった。
太腿を伝い落ちるしずくは失禁のためだろう。
悪徳大名は美耶姫の腕を離した。人形のようにぶらり美耶姫は倒れこむ。その動きに合わせて、膣から男根が抜けていく。こんな長いものが少女の胎内に収まっていたのか、と驚嘆するほど長い竿だった。
ちゅぽん、と音をたてて亀頭が抜けると、美耶姫はそのまま褥にうつぶせになる。気をやったまま、失神したようだ。おしりを高く掲げた格好で、結合部がどうなっているかがよく見える。
男根の形にぽっかり口を開いた膣口からは、胎内におさまりきらなかった精液が泡立ちながら、どろどろと零れ出ていた。量といい濃さといい、老人とは思えない。これならば排卵前の少女でも妊娠するのではないか――そう思えてしまうくらいに。
悪徳大名は、美耶姫を見下ろしている。だが、その視線には今までのような昂ぶりや荒々しさはない。
まるで初孫を見つめる祖父のような、優しいまなざしだった。
「美耶――よくがんばったな……あとは天命を待つのみ。運命がわしらを引き裂こうと――あの若侍がここにたどりつく時が来ようとも――わしは――美耶、おまえを愛し続けるだろう」
そのまま悪徳大名は動かない。まるで、燃え尽きた彫像のように、ぴくりとも動かない――
「カーット!」
しばらくのあいだ静止していた時間が、桃山園のその声でようやく動き出す。
スタッフはようやく我に返り、ルーティンの作業に復帰する。
南小路欣也は、駆け寄ってきたマネージャーが手渡したバスローブに悠然と袖を通した。
そして、セット脇で固まっているおれに視線を向けた。
表情が動く。
「わたしのスタンドかね? ご苦労さま。出番がなくて申し訳なかったね」
おれの扮装を見てそう判断したのだろう。
「実のところ、勃たなかったらどうしようと思ってたんだ。でも、相手役に恵まれたおかげでうまくできたよ。宇多方美耶子ちゃんか――まだ十歳だなんて信じられないね」
軽く溜息をつく。つくづく驚いた、とでも言うように。
「とっくに枯れていたんだよ、わたしは。実際のところ最後に射精をしたのはいつだったか思い出せないほどだ。つまり、あのシーンは、わたしではなく、美耶子ちゃんが導いたものだったんだよ」
まさか――信じられない――この撮影の間じゅう、ずっと美耶子は圧倒されていた。名優・南小路欣也の掌の上で転がされていた。だが、そうではない、と南小路自身が告白したのだ。
「ともあれ、美耶子ちゃんと共演できて、孫にも自慢できるよ。困ったことにうちの孫は子役志願でね、美耶子ちゃんみたいになりたいんだそうだ。いつか、きみたちとも仕事を一緒にすることがあるかもしれないな」
南小路欣也は軽く手をあげかけた。
「それではね、若侍くん――」
「え?」
おれは南小路の言葉に疑問の声をあげた。おれは南小路のスタンドで、格好も悪徳大名のそれだ。若侍はキモタクの役で、今日は撮影はない。そもそもキモタクはスタンドを必要としない。
「ああ、いや――美耶子ちゃんがね――自覚していなかったようだけど、若侍を思い浮かべて演技するシーンでことごとくきみの方に注意を向けていたんだよ。むろんはっきり視線を動かすようなミスはしていなかったけどね、きみをとても気にしていたよ。最後のシーンなんて特にね。よほどきみのことを想っているんだね。まあ、その気持ちを誘導して、こちらも芝居を組み立てることができたのだがね――」
おれは思わず美耶子の方を見た。美耶子もバスローブを着せてもらい、女性ADからホットミルクのカップを受け取っているところだった。偶然だとは思うが、モロに目が合ってしまった。美耶子が「どうだった?」というように表情を動かし、おれはどぎまぎして視線をそらした。
「ね? 若侍を見る目だろ?」
南小路はあげかけた腕をおろしておれの肩をぽんぽんと叩いた。親愛の情をこめた――しかし、明確な敵愾心も秘めた――
「近いうちに美耶子ちゃんとは共演したいね。もちろん、スタンドなしで」
まるでおれをライバル視するかのような茶目っ気たっぷりなウィンクをかの名優はして見せたのだった。
この日の撮影での悪徳大名と美耶姫の濡れ場は、実に2時間を超えていたため、テレビ放映では大幅にカットせざるを得なかった。それでも、テレビ初の老人×子役・生挿入はばっちり放送され大反響となった。そこで、悪徳大名とのエピソードを中心にまとめなおした劇場版が作られることになった。
追加シーンの撮影のために南小路欣也と再会した美耶子が「おじいちゃま大好きっ子」になっていたことや、この作品で子役デビューを果たした南小路の孫娘・果歩が色々な意味でとんでもない逸材だったこととかは――また別の話。
土曜日に続く……!
まるで、それこそが現実のようだった。
おれは完全に引き込まれていた。カメラや照明、音声その他のスタッフがいることも忘れ、ただただ、南小路と美耶子の演技――完全に即興だ――に見入っていた。
スタッフたちもきっとそうだったろう。ギリギリのプロ意識で自分の仕事は果たしつつも、目の前の情景に心を奪われていたにちがいない。
南小路は、逃げようとする美耶子を背後から押さえつけた。
もがくが、美耶子は小柄な少女。尻を掲げさせられ、屈辱的な姿勢をとらされる。
南小路欣也の股間は隆々とそそり立っていた。勃起不全など、とんでもない。使い込まれた、現役バリバリのペニスだった。亀頭は大きくエラをはり、竿は反り返り裏筋が見えるほどだった。
「まさか……勃起しないようにコントロールしてたとはね……」
桃山園が驚愕の声をもらす。
「これが大御所クラスの俳優の実力……」
南小路欣也は、美耶子をバックから貫いた。
「あっ――あぁぁぁぅやぁああーーーーーっ!」
美耶子がのけぞり絶叫する。
巨根が美耶子の膣を限界まで押し広げているのがわかる。
竿の半分どころか、三分の一くらいしか埋まっていないのに、子宮まで亀頭は届いているだろう。
かるく出し入れするだけで、子宮ごと貫かれている。
「おお、美耶姫――やわ魔羅でほぐしておいただけあって、いい具合に馴染んでおるぞ。子袋も巾着のように締めつけてきて良い具合じゃ」
南小路は笑いながら美耶子のおなかをさする。
「おう、こうすれば、中に入っておるわが魔羅の形もよくわかる」
「うっ、ああああああっ!」
美耶子の身体を持ち上げる。今度は逆駅弁の形で、美耶子のお腹をカメラに見せつける。
南小路のペニスが美耶子の胎内を擦り立てるさまが、腹部の陰影でわかる――
結合部は見えないのに、ガチ交尾の様子が見て取れる驚愕のアングルだ。
「いっああああああ! や、やばい、やばいよおおおおっ!」
美耶子の声がうわずり、現代語が思わず混ざる。
「おなかのなか……ぐちゃぐちゃになっちゃ……うふっああああああっ!」
「いい具合だ、気持ちいいぞ、美耶姫。そうら、もっと感じろ、はらわたの感覚に身をゆだねるのだ!」
美耶子の両の腕をつかみ、前に投げ出すようにする。両腕と結合部の三点だけで体重を支えることになり、挿入がさらに深まる。
「あああああ……つき……ぬけるぅ!」
子宮を槍で突き上げられているような形だ。美耶子は涙とよだれをたらして虚空を見ている。
「危険だ! やめさせよう!」
幼い美耶子の膣は大人にくらべれば狭く短い。そこに並外れて大きな南小路のペニスを根元近くまで挿し込まれたら、最悪の事態も考えられる。
飛び出そうとするおれを桃山園がまたもさえぎる。
「行かせないわよ――あたしにとっても一世一代の撮影なのよ。こんなものすごいシーン、二度と撮れないわ」
「美耶子が死んじまうぞ!」
「だから、だいじょうぶなのよ。南小路欣也を、そして宇多方美耶子を信じるの――ね、お願い!」
桃山園が泣きそうな顔で懇願する。ばかな。だって、美耶子はあんなに苦しそうに――
「あ……ああ……はああ……」
美耶子は蕩けていた。
激しく南小路にバックから、逆駅弁で突かれながら――突かれる度に脚をぴーんと伸ばし、足指をきゅっとさせながら。
「すごい……これすごい……よぅ……おなかとけちゃうよぉ……」
子宮を突かれ続け、そこに快感を発生するようになったのか――
ボルチオオーガズムを覚えてしまったのか。
年端もいかない少女が――
いや、違う。子宮を性感帯に変えられたのは美耶姫だ。
美耶姫は巫女で、特別な力を持っている。
これまでの行為はすべて、この状態に美耶姫を導くためだったのだ。
「子袋の準備が整ったか――今こそ見せてもらうぞ、その巫女の力――その幼きはらわたにわが種を注いで、あやかしどもの主を孕ませてくれる」
さらに激しく男根を突き立てる。まるで、子宮そのものをかきませるかのように。
「あああああっ! いくううっ! おなかのなかがトロけて、いくぅうううっ!」
美耶姫が絶叫する。
「こ、こんなのすごすぎるよおおっ! おじいちゃんのおっきいチンポが、美耶のおまんこのなかでいっぱいになって……おなかのいちばん奥をぐちゃぐちゃにしちゃってるのぉおおおっ!」
「よおおし、では出すぞ、美耶姫! わが子種を、受け取るがよいわ!」
悪徳大名はひときわ大きく美耶姫を二度、三度と突き上げる。
「いくっ! いくうっ! いきつづけてりゅううううううっ!」
「おうっ!」
びぐっ! びぐびくびぐっ!
美耶姫の痙攣的な動きで、大量の精液が美耶姫の子宮内に撃ち出されたのがわかる。わかってしまう。
「でてりゅ……しゅごい熱いのが……おなかのおくでぇ……ああああああっ! いくっいくっ、いくぅーーーーーーっ!」
断末魔のような声をあげつつ、美耶姫は壮絶に気をやった。
太腿を伝い落ちるしずくは失禁のためだろう。
悪徳大名は美耶姫の腕を離した。人形のようにぶらり美耶姫は倒れこむ。その動きに合わせて、膣から男根が抜けていく。こんな長いものが少女の胎内に収まっていたのか、と驚嘆するほど長い竿だった。
ちゅぽん、と音をたてて亀頭が抜けると、美耶姫はそのまま褥にうつぶせになる。気をやったまま、失神したようだ。おしりを高く掲げた格好で、結合部がどうなっているかがよく見える。
男根の形にぽっかり口を開いた膣口からは、胎内におさまりきらなかった精液が泡立ちながら、どろどろと零れ出ていた。量といい濃さといい、老人とは思えない。これならば排卵前の少女でも妊娠するのではないか――そう思えてしまうくらいに。
悪徳大名は、美耶姫を見下ろしている。だが、その視線には今までのような昂ぶりや荒々しさはない。
まるで初孫を見つめる祖父のような、優しいまなざしだった。
「美耶――よくがんばったな……あとは天命を待つのみ。運命がわしらを引き裂こうと――あの若侍がここにたどりつく時が来ようとも――わしは――美耶、おまえを愛し続けるだろう」
そのまま悪徳大名は動かない。まるで、燃え尽きた彫像のように、ぴくりとも動かない――
「カーット!」
しばらくのあいだ静止していた時間が、桃山園のその声でようやく動き出す。
スタッフはようやく我に返り、ルーティンの作業に復帰する。
南小路欣也は、駆け寄ってきたマネージャーが手渡したバスローブに悠然と袖を通した。
そして、セット脇で固まっているおれに視線を向けた。
表情が動く。
「わたしのスタンドかね? ご苦労さま。出番がなくて申し訳なかったね」
おれの扮装を見てそう判断したのだろう。
「実のところ、勃たなかったらどうしようと思ってたんだ。でも、相手役に恵まれたおかげでうまくできたよ。宇多方美耶子ちゃんか――まだ十歳だなんて信じられないね」
軽く溜息をつく。つくづく驚いた、とでも言うように。
「とっくに枯れていたんだよ、わたしは。実際のところ最後に射精をしたのはいつだったか思い出せないほどだ。つまり、あのシーンは、わたしではなく、美耶子ちゃんが導いたものだったんだよ」
まさか――信じられない――この撮影の間じゅう、ずっと美耶子は圧倒されていた。名優・南小路欣也の掌の上で転がされていた。だが、そうではない、と南小路自身が告白したのだ。
「ともあれ、美耶子ちゃんと共演できて、孫にも自慢できるよ。困ったことにうちの孫は子役志願でね、美耶子ちゃんみたいになりたいんだそうだ。いつか、きみたちとも仕事を一緒にすることがあるかもしれないな」
南小路欣也は軽く手をあげかけた。
「それではね、若侍くん――」
「え?」
おれは南小路の言葉に疑問の声をあげた。おれは南小路のスタンドで、格好も悪徳大名のそれだ。若侍はキモタクの役で、今日は撮影はない。そもそもキモタクはスタンドを必要としない。
「ああ、いや――美耶子ちゃんがね――自覚していなかったようだけど、若侍を思い浮かべて演技するシーンでことごとくきみの方に注意を向けていたんだよ。むろんはっきり視線を動かすようなミスはしていなかったけどね、きみをとても気にしていたよ。最後のシーンなんて特にね。よほどきみのことを想っているんだね。まあ、その気持ちを誘導して、こちらも芝居を組み立てることができたのだがね――」
おれは思わず美耶子の方を見た。美耶子もバスローブを着せてもらい、女性ADからホットミルクのカップを受け取っているところだった。偶然だとは思うが、モロに目が合ってしまった。美耶子が「どうだった?」というように表情を動かし、おれはどぎまぎして視線をそらした。
「ね? 若侍を見る目だろ?」
南小路はあげかけた腕をおろしておれの肩をぽんぽんと叩いた。親愛の情をこめた――しかし、明確な敵愾心も秘めた――
「近いうちに美耶子ちゃんとは共演したいね。もちろん、スタンドなしで」
まるでおれをライバル視するかのような茶目っ気たっぷりなウィンクをかの名優はして見せたのだった。
この日の撮影での悪徳大名と美耶姫の濡れ場は、実に2時間を超えていたため、テレビ放映では大幅にカットせざるを得なかった。それでも、テレビ初の老人×子役・生挿入はばっちり放送され大反響となった。そこで、悪徳大名とのエピソードを中心にまとめなおした劇場版が作られることになった。
追加シーンの撮影のために南小路欣也と再会した美耶子が「おじいちゃま大好きっ子」になっていたことや、この作品で子役デビューを果たした南小路の孫娘・果歩が色々な意味でとんでもない逸材だったこととかは――また別の話。
土曜日に続く……!
びっちな美耶子の一週間! (8)
2013/09/20 【びっちな美耶子の一週間!】
[金曜日]ドラマ撮影(スペシャルドラマ「美耶姫異聞」) その3
美耶子は犬のように四つん這いになり、おしりを掲げて、南小路の股間に顔を埋めていた。
カメラは美耶子の尻から撮っている。ほんとうの犬のように、肛門と性器が見えている。
大人の性器は映せないから、そういうアングルになってしまうのだ。
だが、美耶子はガチに南小路をフェラしていた。しなびた竿を吸い、大ぶりだが張りのない陰嚢をしゃぶった。
南小路は勃起しないことにあせる様子もなく、美耶子の乳首をくりくりと弄んだかと思うと、美耶子の尻をぴしゃぴしゃ叩き、たわむれに肛門を広げて見せたりした。
映像的な変化を常にあたえるテクニックだ。
「ふふ、さっきまでの未通女(おぼこ)がもう男のものをしゃぶっておるわ。まこと、雌犬だのう。ほうら、雌犬らしく尻を振らんか」
などと言われ、懸命に小尻を振る美耶子である。
だが、南小路の男根はしなびたままだ。これでは性器ではなく、単に小便を出すための器官に過ぎない。
やはりおれの出番か――と思ったが、桃山園は複数のモニターをチェックしつつ、うなっている。
「おそるべし……おそるべし、南小路欣也……まさかそんな手があったとは」
桃山園がチェックしているいくつかのモニターでは、南小路欣也のフニャチンがばっちり映っていた。美耶子が懸命にくわえたり、しゃぶったり、手でシコシコしたりしている。複数のカメラを使ったマルチ撮影が桃山園の常套手段だが、絶対に使えない映像のためにカメラをそんなに割くのはめずらしいことだ。
「お、おい、そんなとこ撮ってもオンエアでは使えないだろ……」
「――なぜ、子供の性器がノーカットで放送できるようになったか知ってる?」
桃山園がモニターから目を離さないまま問う。
「それは……初潮前の子供の性器は生殖につながる行為ができないからだろ。なんでそんな理屈が通ってしまったのかわからないが」
全く意味がわからないロジックだが、この国の現在の放送コードでは、「生殖活動につながらない」という理由で初潮前、精通前の子供の性器を映してもおとがめはない。そのルールを作ってきたのは桃山園であり、美耶子だ。その結果、空前の子役ブームが訪れ、現在に至っている。
「で、あればよ、こうも考えられるじゃない? 生殖活動ができない老人の性器も、また映しても問題ない、と」
な、なんだってええええええ!?
おれは大声を出しそうになって、手で口をおさえた。
実際のところ、もしそれが通ったとて、老女の性器には世間的な需要はほぼないだろう(一部マニアはいるかもしれないが)。
しかし、爺の場合、子役の少女と組み合わせれば、その絵的なインパクトは大きい。
まさか、それを計算して――
「さて、そろそろ美耶姫の女陰(ほと)を使わせてもらおうかな」
しなびたままの股間をさらしながら、名優・南小路欣也は、美耶子をゆっくりと押し倒した。
くにゅ、くちゅ……
湿った音がする。
美耶子は赤ちゃんのように開脚させられ、褥に仰向けになっている。広げられた性器はすでに濃いピンク色に火照り、粘膜の奥から分泌される液体でぬめっている。
その美耶子のワレメの内側に、南小路は柔らかいままのペニスをこすりつけている。赤紫色の亀頭だけが膨らんでいるが、全体的には小さいサイズだ。
それが、いまやあらゆる角度から撮影されている。放送のために角度をうまくつけて見えなくする――というカメラは用意されていない。このシーンはノーカットで放送するつもりなのだ。
「どうだ、美耶姫? 気持ちいいだろう?」
クリトリスと膣口の間を往復させるようにしつつ南小路が言う。
「あ……はい、おじいちゃ……おとのさま……いいですぅ……」
美耶子は言い直したが、おじいちゃん、と言ってもシチュエーション的にはおかしくはない。
悪徳大名は設定上、美耶姫の祖父の元家臣で、美耶姫の「じい」でもあったのだから。
「やわこいままじゃが、中に入れさせてくれるか? ああ?」
膣口を亀頭で刺激しつつ、指でクリトリスを擦りたてる。
「あんっ、あっ! あっ! あうんっ……!」
美耶子の吐息が早く、切なくなる。裸の薄い胸を上下させる。隆起のほとんどない胸に乳首だけが屹立しているのがいかにも少女らしい。
「あ、あああっ、へんに……へんになるぅ……おじいちゃま……っ」
「そうか、おさねがそんなに気持ちいいか。よしよし、初めてだからな、やわこい魔羅でも痛いかもしれぬのう。ならば、せめて気をやりながら受け入れるとよいぞ」
南小路は美耶子のクリトリスの包皮を剥いて、二股の付け根部分に指の腹を押しつける。
「く、くひっ、くぎぃっ!」
脳幹を純粋な快感に灼かれたかのように美耶子が声をはなつ。
同時に南小路のペニスが美耶子の膣に潜りこんだ。
そのシーンが克明に記録されていく。
おそらくはテレビ史上初のシーンになるだろう。
モザイクなしの大人ペニスが子役のヴァギナに入り、動いているさまが公開されるのは。
やっていることはセックスそのものだ。
だが、南小路欣也は70歳を過ぎており、もはや生殖機能がないとすれば――挿入されているペニスも勃起しておらず、射精もしないならば――現行ルールの上ではセーフなのだ。
南小路は美耶子に覆い被さり、その小柄な身体を引き寄せた。簡単に持ち上がる美耶子の細い身体。
唇を合わせる。
「はむう……はうう……ふは」
老優と舌をからめ、蕩ける美耶子。
孫が祖父に抱っこされているような姿勢。対面座位。
南小路は美耶子のおしりをつかんで、上下させる。
結合部がアップで抜かれる。
美耶子の子供まんこは、いつものように大きく広げられてはいない。入っているペニスが細いからだ。だが、長さはあるらしく、ゴムのように伸び縮みしながら出たり入ったりを続けている。
「しゅほい……な……なかれ……ペロペロされてるみたい……ぃいいっ!」
どうやら南小路のペニスは、美耶子の膣内では舌のように感じられるらしい。
「しゅご……ほんなお……はじめれ……っ」
「美耶姫はほんに淫乱よ。こんな爺のやわこい魔羅でよがるとは」
南小路は立面座位のまま、よいしょと立ち上がる。一瞬、南小路の腰を心配したが、美耶子は十歳児としても軽い方だ。問題はなかったらしい。振り落とされまいと美耶子は必死で南小路にしがみついている。まるで小猿のようだ。
「さても美耶姫は赤子の頃と変わらぬのう。こうして抱っこしてやったときのことを思い出すわい」
駅弁ファックをしながら南小路は笑った。
そして、また――こんどは美耶子からキスを求めるのに応えてやる。
舌と舌をからめ、唾液をたっぷりと交換する。
美耶子はだらしなく舌をのぞかせ、あえぐ。
「ふぁああ……きもちいい……おじいちゃんの抱っこ……すきぃ……」
退行してしまっている。もはや台本は関係なく、美耶姫になった美耶子は、かつてじいやとして自分を抱っこしてくれた悪徳大名の腕の中に安らぎを感じているのだろう。
「そうかね、美耶姫、わしが好きか?」
美耶子を揺さぶり、ペニスを美耶子の胎内深くまで挿し込みながら南小路は訊く。
「あっ! あっ! あっ! なか、しゅごぃ……おじいちゃん、しゅきだよぉ……だいしゅきぃ……」
非勃起状態のペニスによって、なぜそこまで性感を与えられるかわからない。わからないが、明らかに美耶子はアクメに達していた。それも絶頂状態がいつまでもだらだら続くタイプのアクメだ。
こんな蕩けた表情の美耶子はそうそう見たことがない。台本の内容も全部飛んでいるだろう。
「ならば、わしの女になるか? 側室にしてやるぞ。どうだ?」
さらに激しく腰を突き上げる。
「あああああっ! なるっ! なるよぉ……っ! おじいちゃんのおんなに……してぇ」
「あの若侍はどうする? 身分違いの恋などと言いつつ、おまえを抱くこともできなかったあの男は――」
その言葉を投げつけられて、美耶姫の表情が歪んだ。わずかに戻った理性が心をさいなむのか。
「あの方は……」
「その様子だと未練があるのか? たったいま、おまえはわしの女になると誓ったところだぞ? あの男より、わしを選んだのだ、そうだろう?」
「あの方のことは言わないで……あの方は特別……わたしにはもったいない……」
「あの方、だと? 笑わせる!」
「や、やめ、そんなにしたら……っ! うあああああっ! おじいいちゃああああああっ!」
悪徳大名は美耶姫を激しく突き立てて気をやらせると、まるでモノのように、ぽいっと褥に投げ出した。
笑っている。鬼のように笑っている。
美耶姫は股間から愛液を垂れ流しながら、うつろな表情で胸を上下させている。
「さんざんわしの魔羅で楽しんだあげく、あの方は特別ときたか。まったく美耶姫の強欲には舌を巻く」
「そんな……わたしは……」
「いいか、おまえの大切な男はな、あの間抜けな悪党どもといっしょに、おまえを助け出そうと画策しておるらしい――おまえがわしに初物を摘まれ、さんざん女としての悦びを教えられたとも知らんでな」
悪徳大名は顔をゆがめ、野太い声で若侍たちを罵倒する。
「やつらは今にこの砦にくるだろう。おまえを助け出すためにな。だが、その時にはもうおまえは身も心もわしのモノになっておる。わしの種で孕ませてやる――」
「で、でもおじいさまは――あっ」
美耶姫は仁王立ちしている悪徳大名を見上げ、声を上げる。
屹立していた。
悪徳大名の男根が邪悪なまでに大きくそびえ立っていた。
「なんて……おおきな……」
呆然とする美耶姫。その声におののきだけでなく崇拝の色が混ざったことを姫自身は自覚していたかどうか。
「おお、よみがえったぞ! 美耶姫よ、おまえのおかげだ――いや、あの若侍のおかげかもしれぬな。さて、わしの怒髪天を突く魔羅を存分に味わうがよいぞ!」
「い、いやああああああっ!」
撮影はいよいよ大詰め! つづく!
美耶子は犬のように四つん這いになり、おしりを掲げて、南小路の股間に顔を埋めていた。
カメラは美耶子の尻から撮っている。ほんとうの犬のように、肛門と性器が見えている。
大人の性器は映せないから、そういうアングルになってしまうのだ。
だが、美耶子はガチに南小路をフェラしていた。しなびた竿を吸い、大ぶりだが張りのない陰嚢をしゃぶった。
南小路は勃起しないことにあせる様子もなく、美耶子の乳首をくりくりと弄んだかと思うと、美耶子の尻をぴしゃぴしゃ叩き、たわむれに肛門を広げて見せたりした。
映像的な変化を常にあたえるテクニックだ。
「ふふ、さっきまでの未通女(おぼこ)がもう男のものをしゃぶっておるわ。まこと、雌犬だのう。ほうら、雌犬らしく尻を振らんか」
などと言われ、懸命に小尻を振る美耶子である。
だが、南小路の男根はしなびたままだ。これでは性器ではなく、単に小便を出すための器官に過ぎない。
やはりおれの出番か――と思ったが、桃山園は複数のモニターをチェックしつつ、うなっている。
「おそるべし……おそるべし、南小路欣也……まさかそんな手があったとは」
桃山園がチェックしているいくつかのモニターでは、南小路欣也のフニャチンがばっちり映っていた。美耶子が懸命にくわえたり、しゃぶったり、手でシコシコしたりしている。複数のカメラを使ったマルチ撮影が桃山園の常套手段だが、絶対に使えない映像のためにカメラをそんなに割くのはめずらしいことだ。
「お、おい、そんなとこ撮ってもオンエアでは使えないだろ……」
「――なぜ、子供の性器がノーカットで放送できるようになったか知ってる?」
桃山園がモニターから目を離さないまま問う。
「それは……初潮前の子供の性器は生殖につながる行為ができないからだろ。なんでそんな理屈が通ってしまったのかわからないが」
全く意味がわからないロジックだが、この国の現在の放送コードでは、「生殖活動につながらない」という理由で初潮前、精通前の子供の性器を映してもおとがめはない。そのルールを作ってきたのは桃山園であり、美耶子だ。その結果、空前の子役ブームが訪れ、現在に至っている。
「で、あればよ、こうも考えられるじゃない? 生殖活動ができない老人の性器も、また映しても問題ない、と」
な、なんだってええええええ!?
おれは大声を出しそうになって、手で口をおさえた。
実際のところ、もしそれが通ったとて、老女の性器には世間的な需要はほぼないだろう(一部マニアはいるかもしれないが)。
しかし、爺の場合、子役の少女と組み合わせれば、その絵的なインパクトは大きい。
まさか、それを計算して――
「さて、そろそろ美耶姫の女陰(ほと)を使わせてもらおうかな」
しなびたままの股間をさらしながら、名優・南小路欣也は、美耶子をゆっくりと押し倒した。
くにゅ、くちゅ……
湿った音がする。
美耶子は赤ちゃんのように開脚させられ、褥に仰向けになっている。広げられた性器はすでに濃いピンク色に火照り、粘膜の奥から分泌される液体でぬめっている。
その美耶子のワレメの内側に、南小路は柔らかいままのペニスをこすりつけている。赤紫色の亀頭だけが膨らんでいるが、全体的には小さいサイズだ。
それが、いまやあらゆる角度から撮影されている。放送のために角度をうまくつけて見えなくする――というカメラは用意されていない。このシーンはノーカットで放送するつもりなのだ。
「どうだ、美耶姫? 気持ちいいだろう?」
クリトリスと膣口の間を往復させるようにしつつ南小路が言う。
「あ……はい、おじいちゃ……おとのさま……いいですぅ……」
美耶子は言い直したが、おじいちゃん、と言ってもシチュエーション的にはおかしくはない。
悪徳大名は設定上、美耶姫の祖父の元家臣で、美耶姫の「じい」でもあったのだから。
「やわこいままじゃが、中に入れさせてくれるか? ああ?」
膣口を亀頭で刺激しつつ、指でクリトリスを擦りたてる。
「あんっ、あっ! あっ! あうんっ……!」
美耶子の吐息が早く、切なくなる。裸の薄い胸を上下させる。隆起のほとんどない胸に乳首だけが屹立しているのがいかにも少女らしい。
「あ、あああっ、へんに……へんになるぅ……おじいちゃま……っ」
「そうか、おさねがそんなに気持ちいいか。よしよし、初めてだからな、やわこい魔羅でも痛いかもしれぬのう。ならば、せめて気をやりながら受け入れるとよいぞ」
南小路は美耶子のクリトリスの包皮を剥いて、二股の付け根部分に指の腹を押しつける。
「く、くひっ、くぎぃっ!」
脳幹を純粋な快感に灼かれたかのように美耶子が声をはなつ。
同時に南小路のペニスが美耶子の膣に潜りこんだ。
そのシーンが克明に記録されていく。
おそらくはテレビ史上初のシーンになるだろう。
モザイクなしの大人ペニスが子役のヴァギナに入り、動いているさまが公開されるのは。
やっていることはセックスそのものだ。
だが、南小路欣也は70歳を過ぎており、もはや生殖機能がないとすれば――挿入されているペニスも勃起しておらず、射精もしないならば――現行ルールの上ではセーフなのだ。
南小路は美耶子に覆い被さり、その小柄な身体を引き寄せた。簡単に持ち上がる美耶子の細い身体。
唇を合わせる。
「はむう……はうう……ふは」
老優と舌をからめ、蕩ける美耶子。
孫が祖父に抱っこされているような姿勢。対面座位。
南小路は美耶子のおしりをつかんで、上下させる。
結合部がアップで抜かれる。
美耶子の子供まんこは、いつものように大きく広げられてはいない。入っているペニスが細いからだ。だが、長さはあるらしく、ゴムのように伸び縮みしながら出たり入ったりを続けている。
「しゅほい……な……なかれ……ペロペロされてるみたい……ぃいいっ!」
どうやら南小路のペニスは、美耶子の膣内では舌のように感じられるらしい。
「しゅご……ほんなお……はじめれ……っ」
「美耶姫はほんに淫乱よ。こんな爺のやわこい魔羅でよがるとは」
南小路は立面座位のまま、よいしょと立ち上がる。一瞬、南小路の腰を心配したが、美耶子は十歳児としても軽い方だ。問題はなかったらしい。振り落とされまいと美耶子は必死で南小路にしがみついている。まるで小猿のようだ。
「さても美耶姫は赤子の頃と変わらぬのう。こうして抱っこしてやったときのことを思い出すわい」
駅弁ファックをしながら南小路は笑った。
そして、また――こんどは美耶子からキスを求めるのに応えてやる。
舌と舌をからめ、唾液をたっぷりと交換する。
美耶子はだらしなく舌をのぞかせ、あえぐ。
「ふぁああ……きもちいい……おじいちゃんの抱っこ……すきぃ……」
退行してしまっている。もはや台本は関係なく、美耶姫になった美耶子は、かつてじいやとして自分を抱っこしてくれた悪徳大名の腕の中に安らぎを感じているのだろう。
「そうかね、美耶姫、わしが好きか?」
美耶子を揺さぶり、ペニスを美耶子の胎内深くまで挿し込みながら南小路は訊く。
「あっ! あっ! あっ! なか、しゅごぃ……おじいちゃん、しゅきだよぉ……だいしゅきぃ……」
非勃起状態のペニスによって、なぜそこまで性感を与えられるかわからない。わからないが、明らかに美耶子はアクメに達していた。それも絶頂状態がいつまでもだらだら続くタイプのアクメだ。
こんな蕩けた表情の美耶子はそうそう見たことがない。台本の内容も全部飛んでいるだろう。
「ならば、わしの女になるか? 側室にしてやるぞ。どうだ?」
さらに激しく腰を突き上げる。
「あああああっ! なるっ! なるよぉ……っ! おじいちゃんのおんなに……してぇ」
「あの若侍はどうする? 身分違いの恋などと言いつつ、おまえを抱くこともできなかったあの男は――」
その言葉を投げつけられて、美耶姫の表情が歪んだ。わずかに戻った理性が心をさいなむのか。
「あの方は……」
「その様子だと未練があるのか? たったいま、おまえはわしの女になると誓ったところだぞ? あの男より、わしを選んだのだ、そうだろう?」
「あの方のことは言わないで……あの方は特別……わたしにはもったいない……」
「あの方、だと? 笑わせる!」
「や、やめ、そんなにしたら……っ! うあああああっ! おじいいちゃああああああっ!」
悪徳大名は美耶姫を激しく突き立てて気をやらせると、まるでモノのように、ぽいっと褥に投げ出した。
笑っている。鬼のように笑っている。
美耶姫は股間から愛液を垂れ流しながら、うつろな表情で胸を上下させている。
「さんざんわしの魔羅で楽しんだあげく、あの方は特別ときたか。まったく美耶姫の強欲には舌を巻く」
「そんな……わたしは……」
「いいか、おまえの大切な男はな、あの間抜けな悪党どもといっしょに、おまえを助け出そうと画策しておるらしい――おまえがわしに初物を摘まれ、さんざん女としての悦びを教えられたとも知らんでな」
悪徳大名は顔をゆがめ、野太い声で若侍たちを罵倒する。
「やつらは今にこの砦にくるだろう。おまえを助け出すためにな。だが、その時にはもうおまえは身も心もわしのモノになっておる。わしの種で孕ませてやる――」
「で、でもおじいさまは――あっ」
美耶姫は仁王立ちしている悪徳大名を見上げ、声を上げる。
屹立していた。
悪徳大名の男根が邪悪なまでに大きくそびえ立っていた。
「なんて……おおきな……」
呆然とする美耶姫。その声におののきだけでなく崇拝の色が混ざったことを姫自身は自覚していたかどうか。
「おお、よみがえったぞ! 美耶姫よ、おまえのおかげだ――いや、あの若侍のおかげかもしれぬな。さて、わしの怒髪天を突く魔羅を存分に味わうがよいぞ!」
「い、いやああああああっ!」
撮影はいよいよ大詰め! つづく!
びっちな美耶子の一週間! (7)
2013/09/20 【びっちな美耶子の一週間!】
[金曜日]ドラマ撮影(スペシャルドラマ「美耶姫異聞」) その2
スタートがかかった直後だった。
美耶子の頬が鳴った。
いきなりの平手打ち。美耶子が呆然としているところに、南小路がのしかかる。
「ほうら、美耶姫、抗ってみよ、あやかしの力でわしを倒してみよ――できぬか、できぬだろう?」
南小路はガチに美耶子を押し倒し、裾を乱暴にはだける。
カメラテストの時と同様、美耶子は下着をつけていない。
「どぉれ、美耶姫のお大事を検分させてもらおうぞ――あの若侍に散らされておるか、おらぬか」
美耶子はまだショック状態らしく、演技もへったくれもない。
南小路によって股間を開かれて、恥ずかしげな演技も哀しみの演技もできないまま、ただただ、圧倒される。
性器を乱暴に広げられる。小陰唇を左右に限界まで引っ張られ、膣内がめくり上がりそうなほどに。
それ自体は台本にもあるシーンだ。広げられた美耶子の膣口には処女膜がCGで追加されるはずだ。
南小路がその部分をのぞき込む。
「たしかにあるぞ、乙女のあかし。それはそうであろうのう、こんなに小さな女陰(ほと)では、男のモノなど入らぬわ」
指を、ぐりん、と。
美耶子の中に挿し込む。
「あひっ! ひゃうっ!」
演技ではない、マジの悲鳴だ。
本来なら、ここで美耶子は自ら純潔を示すシーンのはずだ。だが、南小路のアドリブは、それを許さない。
「どうら、穴を広げてやろう、わしのものでもおさまるようにな」
いきなり、指で美耶姫の乙女のあかしを破ってしまった――
指で乱暴に突き上げる。
「あああああ、いたい! いたいいいぅ!」
美耶子の悲痛な声。演技で出せる声ではない。
「ふはは、でてきたぞ、乙女の涙、赤いしずくが」
血だ。南小路が指を出し入れするたびに、美耶子の性器から赤い液体がにじみ出る。
実際の美耶子に処女膜などない。乱暴にされて粘膜が傷ついたのか――
これはむちゃくちゃだ、暴力行為だ。やめさせないと――
おれが出ていこうとしたとき、桃山園がものすごい形相でおれの行く手をさえぎる。
「あんた、この現場を壊したら、殺すわよ」
囁き声ながら有無を言わせぬ強さを秘めている。あの桃山園が。しかし、黙ってられるか。
「美耶子が痛がってるじゃないか、ケガまでしてるんだぞ! いくらなんでもやりすぎだ」
「南小路欣也が女優にケガなんかさせるわけないでしょ。五十年以上のキャリアで、南小路欣也が女優を傷つけたことは一度もないのよ。信じなさい」
断言された。しかし。
セットの中、褥の上では、南小路が痛がる美耶子をおさえつけ、指で性器を乱暴に掻き回している。
血が出ているのは、確かだ。
「しかし――」
「美耶子も、我に返ってないでしょ。むしろ、元の台本より、ずっと美耶姫になっている。あの子は女優の勘でわかってるのよ、これは、必要なシーンだって」
たしかに、美耶子も逃げようと思えば逃げられるはずだ。
「ふふ、膜を完全に破けたのう、どれ、手当をしてやるか」
南小路は美耶子の膣から抜いた血まみれの指を舐め、おもむろに美耶子の性器に口をつけた。
「あ……ああああっ」
美耶子が声をあげる。
「お、おとのさまの……ベロがぁ……」
舐めまわされている。南小路欣也に、美耶子の膣内が。
「あっ、あっ、あんん……うっ」
南小路が顎をうごかし少女の胎内を舐めしゃぶる度に、ぴくん、ぴくん、美耶子の身体が震える。
「ふふ……だいぶん、愛液もでてきたのう」
血と愛液で顔をべとつかせながら南小路が笑う。
「ずいぶんと女陰(ほと)もきれいになったわ」
これみよがしに美耶子の性器を見せつけるようにする。もちろん、今度はカメラもすかさず接写。
いやらしく充血し、血と愛液と唾液でぐちゃぐちゃになった美耶子の膣内がはっきりと映る。
「な……なるほど」
桃山園が呟くように声を漏らす。
「これなら、CGで処女膜をつくらなくても、あきらかに、まちがいなく、美耶姫は処女喪失してるわ」
な、なんだと。
性器を映してもとがめられない子役の撮影で、逆に一番難しいのが処女喪失シーンだと言われる。チャンスは一度しかない。何回も現場をこなすと、もちろん処女膜はなくなってしまう。なまじ全部見せられるから、その時だけ見せないと不自然になる。
苦肉の策としてのCG合成だったが、後から聞いた話では南小路は一言で切り捨てたらしい。「CGなど無粋」だと。観客は本物を見たがっている。「虚構」をギリギリまでつきつめて「真実」にするのが役者の力だ、とも。
それが、このアドリブだったのだ。
結果、カメラは美耶子のありのままの性器を映しとっているのに、観客には処女喪失直後の生々しい膣にしか見えない、という結果が生まれたのだ。
それでは血は――
おれは、南小路がさりげなく指先を褥でぬぐうのを見た。カメラ的には美耶子の膣内を映しているから、シーン的には問題ない動きだ。
あの血は南小路の指先からのものだったのだ。おそらくあらかじめ小さく傷をつくっておき、美耶子の膣内で傷口を開かせたのだ。
おそるべし、南小路欣也。
カットがかからないままカメラはまわりつづけている。
南小路は美耶子の着物を剥いだ。
美耶子は破瓜のショックで抵抗もできない――ように見えた。実際、ショック状態は続いていただろう。
全裸にされ、カメラにおいしいショットをたくさん提供しつつも心ここにあらぬ様子だ。
「さて、次はわしのものを使えるようにしてもらおうかのう」
南大路も脱ぐ――七十歳を越えているとは思えぬ肉体だった。腹筋はおれより締まっているかもしれない。
だが、さすがに股間は萎んでいた。陰毛も白髪が多い。
おれの出番か、と思った。正直、すでにカチカチだ。自分の恋人が男優とベッドシーンを演じているのを見るのは職業がら馴れているといってもいいが、今日のは強烈すぎた。
だが、おれへの指示はこなかった。
南小路が続行したからだ。彼が芝居をやめない限り、カメラも止まらない。
「ではの、美耶姫、次はわしのを使えるようにしてもらおうか」
まだ撮影は始まったばかり!
スタートがかかった直後だった。
美耶子の頬が鳴った。
いきなりの平手打ち。美耶子が呆然としているところに、南小路がのしかかる。
「ほうら、美耶姫、抗ってみよ、あやかしの力でわしを倒してみよ――できぬか、できぬだろう?」
南小路はガチに美耶子を押し倒し、裾を乱暴にはだける。
カメラテストの時と同様、美耶子は下着をつけていない。
「どぉれ、美耶姫のお大事を検分させてもらおうぞ――あの若侍に散らされておるか、おらぬか」
美耶子はまだショック状態らしく、演技もへったくれもない。
南小路によって股間を開かれて、恥ずかしげな演技も哀しみの演技もできないまま、ただただ、圧倒される。
性器を乱暴に広げられる。小陰唇を左右に限界まで引っ張られ、膣内がめくり上がりそうなほどに。
それ自体は台本にもあるシーンだ。広げられた美耶子の膣口には処女膜がCGで追加されるはずだ。
南小路がその部分をのぞき込む。
「たしかにあるぞ、乙女のあかし。それはそうであろうのう、こんなに小さな女陰(ほと)では、男のモノなど入らぬわ」
指を、ぐりん、と。
美耶子の中に挿し込む。
「あひっ! ひゃうっ!」
演技ではない、マジの悲鳴だ。
本来なら、ここで美耶子は自ら純潔を示すシーンのはずだ。だが、南小路のアドリブは、それを許さない。
「どうら、穴を広げてやろう、わしのものでもおさまるようにな」
いきなり、指で美耶姫の乙女のあかしを破ってしまった――
指で乱暴に突き上げる。
「あああああ、いたい! いたいいいぅ!」
美耶子の悲痛な声。演技で出せる声ではない。
「ふはは、でてきたぞ、乙女の涙、赤いしずくが」
血だ。南小路が指を出し入れするたびに、美耶子の性器から赤い液体がにじみ出る。
実際の美耶子に処女膜などない。乱暴にされて粘膜が傷ついたのか――
これはむちゃくちゃだ、暴力行為だ。やめさせないと――
おれが出ていこうとしたとき、桃山園がものすごい形相でおれの行く手をさえぎる。
「あんた、この現場を壊したら、殺すわよ」
囁き声ながら有無を言わせぬ強さを秘めている。あの桃山園が。しかし、黙ってられるか。
「美耶子が痛がってるじゃないか、ケガまでしてるんだぞ! いくらなんでもやりすぎだ」
「南小路欣也が女優にケガなんかさせるわけないでしょ。五十年以上のキャリアで、南小路欣也が女優を傷つけたことは一度もないのよ。信じなさい」
断言された。しかし。
セットの中、褥の上では、南小路が痛がる美耶子をおさえつけ、指で性器を乱暴に掻き回している。
血が出ているのは、確かだ。
「しかし――」
「美耶子も、我に返ってないでしょ。むしろ、元の台本より、ずっと美耶姫になっている。あの子は女優の勘でわかってるのよ、これは、必要なシーンだって」
たしかに、美耶子も逃げようと思えば逃げられるはずだ。
「ふふ、膜を完全に破けたのう、どれ、手当をしてやるか」
南小路は美耶子の膣から抜いた血まみれの指を舐め、おもむろに美耶子の性器に口をつけた。
「あ……ああああっ」
美耶子が声をあげる。
「お、おとのさまの……ベロがぁ……」
舐めまわされている。南小路欣也に、美耶子の膣内が。
「あっ、あっ、あんん……うっ」
南小路が顎をうごかし少女の胎内を舐めしゃぶる度に、ぴくん、ぴくん、美耶子の身体が震える。
「ふふ……だいぶん、愛液もでてきたのう」
血と愛液で顔をべとつかせながら南小路が笑う。
「ずいぶんと女陰(ほと)もきれいになったわ」
これみよがしに美耶子の性器を見せつけるようにする。もちろん、今度はカメラもすかさず接写。
いやらしく充血し、血と愛液と唾液でぐちゃぐちゃになった美耶子の膣内がはっきりと映る。
「な……なるほど」
桃山園が呟くように声を漏らす。
「これなら、CGで処女膜をつくらなくても、あきらかに、まちがいなく、美耶姫は処女喪失してるわ」
な、なんだと。
性器を映してもとがめられない子役の撮影で、逆に一番難しいのが処女喪失シーンだと言われる。チャンスは一度しかない。何回も現場をこなすと、もちろん処女膜はなくなってしまう。なまじ全部見せられるから、その時だけ見せないと不自然になる。
苦肉の策としてのCG合成だったが、後から聞いた話では南小路は一言で切り捨てたらしい。「CGなど無粋」だと。観客は本物を見たがっている。「虚構」をギリギリまでつきつめて「真実」にするのが役者の力だ、とも。
それが、このアドリブだったのだ。
結果、カメラは美耶子のありのままの性器を映しとっているのに、観客には処女喪失直後の生々しい膣にしか見えない、という結果が生まれたのだ。
それでは血は――
おれは、南小路がさりげなく指先を褥でぬぐうのを見た。カメラ的には美耶子の膣内を映しているから、シーン的には問題ない動きだ。
あの血は南小路の指先からのものだったのだ。おそらくあらかじめ小さく傷をつくっておき、美耶子の膣内で傷口を開かせたのだ。
おそるべし、南小路欣也。
カットがかからないままカメラはまわりつづけている。
南小路は美耶子の着物を剥いだ。
美耶子は破瓜のショックで抵抗もできない――ように見えた。実際、ショック状態は続いていただろう。
全裸にされ、カメラにおいしいショットをたくさん提供しつつも心ここにあらぬ様子だ。
「さて、次はわしのものを使えるようにしてもらおうかのう」
南大路も脱ぐ――七十歳を越えているとは思えぬ肉体だった。腹筋はおれより締まっているかもしれない。
だが、さすがに股間は萎んでいた。陰毛も白髪が多い。
おれの出番か、と思った。正直、すでにカチカチだ。自分の恋人が男優とベッドシーンを演じているのを見るのは職業がら馴れているといってもいいが、今日のは強烈すぎた。
だが、おれへの指示はこなかった。
南小路が続行したからだ。彼が芝居をやめない限り、カメラも止まらない。
「ではの、美耶姫、次はわしのを使えるようにしてもらおうか」
まだ撮影は始まったばかり!
びっちな美耶子の一週間! (6)
2013/09/20 【びっちな美耶子の一週間!】
[金曜日]ドラマ撮影(スペシャルドラマ「美耶姫異聞」)
さて、いよいよ今週の仕事も大詰めだ。ドラマ撮影である。
今日は大御所・南小路欣也との濡れ場がある。
映画、ドラマはむろん、最近はCMでのナレーションでも露出が多い。あの「お父さんネコ」の声といえば誰もがわかるだろう。芸能界の大御所の一人だ。
だが、年齢はもう七十を越えているはずだが、できるのか?
「だから、あんた、スタンバっておいてね」
ディレクターの桃山園にはそう言い渡されている。
濡れ場の代役だ。南小路欣也とおれは年齢も顔もまったく違うが、それでも南小路欣也と同じ衣装とヅラを着けさせられた。おい、これすげー蒸れるんだが。それに、着物の重たいこと。それだけで身動きできないくらいだ。
男優が撮影現場できっちり勃起させ、射精までいくのは、けっこう難しい。
多くのスタッフに囲まれ、ライトが煌々と輝く中で、段取りを間違えずにセックスするというのがいかに難しいことか。AV業界でも、女優のなり手はいくらでもいるが、男優はとても少ないのだ。
ましてや、子役を相手にする場合は、体格の違いや性器のサイズなども考慮に入れなくてはいけない。実際、おれも撮影現場をそれなりに見てきたが、しっかりと最後までできる俳優はほとんどいない。
そのため、挿入シーンの代役が必要になるのだ。
だいたい、ペッティングまでは俳優で撮影する。
美耶子は演技の天才だから、へたくそなペッティングでも、演出家が望むとおりの濡れっぷりを示す。
だが、俳優の方はフニャフニャのままということがままある。たとえ勃起しても、うまくイケないことも多い。逆に、入れたとたんに射精する早漏もいる。イケなくても早すぎても必要なシーンを撮ることができない。
そんなときは代役の出番だ。
子役の業界用語で「スタンドマン」という。「スタントマン」ではない。「勃つ」という言葉を「立つ」に移し替えて、「勃起状態をきちんとコントロールできる代役」のことをそういうのだ。
スタンドマンは芝居の進行を見つつ、きちんと勃起を維持しておき、挿入シーンだけを受け持つ。挿入シーンはたいてい結合部のアップだから、顔が似ていなくても大丈夫なのだ。
きちんと美耶子をイカせて、射精までいけるスタンドマンはそうはいない。おれと桃山園、あと数人というところか。さまざまな役者の代役ができるよう、年齢や体格にはバラつきがあるが、いずれも美耶子と身体の相性がよく、美耶子本人が選んだ男たちだ。中には、美耶子のファンクラブ会員から抜擢された変わり種もいる。
今日の南小路欣也は、年齢は高いががっしりした体格で、身長はおれとほぼ同じ。そういったところからおれにお鉢が回ってきたのだろう。
だが、仕事とはいえ、美耶子と濡れ場撮影となると、ちょっと期待してしまうな。
忘れてもらっては困るが、日本では未成年者とのセックスは禁じられている。相思相愛であってもだ。それに自宅では美耶子は普通の小学生だ。一子ちゃんをはじめ、家人の目もある。
つまり、美耶子とはプライベートではなかなかエッチできないのだ。
それに、撮影などが入ると、肌のコンディションも整えておかないといけない。キスマークなどもってのほかだ。美耶子の身体はもはや日本の芸能界でもトップクラスのコンテンツなのだ。
そう思うと、こう、チンチンがみなぎってくるな。
「今日のスタンドはゆーいち? やたっ」
美耶子も嬉しそうだ。
仕事は仕事と割り切ることができる美耶子だが、最初のうちは知らない男と撮影でからむことにナーバスになったり、泣きべそをかくこともあった。
そんな時はカメラテストと称して、おれは美耶子を抱いた。カメラテストなどといった建前をつかわないといけなかったのは、未成年者とのプライベートでのセックスは犯罪だからだ。
おれは美耶子専用の鎮静剤として珍重されるようになり、スタンドマンの仕組みも整っていったというわけだ。
いまでは、美耶子はおれがスタンドに入るのを心待ちにしている様子がある。
「じゃあ、今日、がんばるね。おじーちゃん相手だけど!」
南小路欣也が現場に入ると空気が一変した。
さすが、数多くの映画、ドラマに出演し、日本映画界の大御所と呼ばれる大物俳優だ。彼の名前が出演者欄に並ぶだけで作品に箔がつく。
ギャラも業界トップクラスらしいが、よくキャスティングできたな。さすがは窪塚プロデューサー。
「それがね、意外にリーズナブルだったらしいわよ、話によるとね」
桃山園が雑談のなかでそんなことを言っていた。
「共演者が美耶子だって聞いたら一発OKだったらしいわ」
なんでも、美耶子と同い年の孫娘がいるらしく、その子が美耶子の大ファンらしいのだ。
その時点では濡れ場があるとは知らなかったようだが――
美耶子は南小路欣也のところにすぐさま挨拶しに行った。このあたりはずいぶん世慣れてきた。
「ほほう、きみが美耶子ちゃんかね。大活躍しているそうだね」
目を細めて美耶子を見つめる視線は、孫を見る祖父のようだ。
「今日はよろしくお願いします、南小路先生」
「はは、先生はよしておくれ。そうだな、おじいちゃまと呼んでくれないか? うちの孫はそう呼ぶんだよ」
「はい――おじいちゃま」
にっこり微笑む美耶子。ほんとうに外面いいな、こいつは。
撮影が始まった。
このドラマのタイトルは「美耶姫異聞・あやかし砦の三悪人」。
ヒロイン・美耶姫は亡国の姫君で、霊能力を操る力を持つ巫女。珠子のキャラがちょっと入っている感じがするが、それは偶然だ。
あらすじは、こんな感じだ。
美耶姫は悪徳大名によって国を滅ぼされるが、忠義心の強い若侍に助け出され、母方の有力大名の領地を目指す。その途中で知り合った盗賊、破戒坊主、賞金稼ぎたちとともに旅をすることになる。悪党たちは美耶姫の影響で改心していく。
一方、若侍と美耶姫は互いに惹かれあうが身分の違いもあり、プラトニックなまま。そうこうするうちに、美耶姫は悪徳大名の手に落ちてしまう。
筋立てとしてはそこから若侍と悪党達による美耶姫奪還作戦につながっていくのだが、今日撮影するのは、その作戦が進む間に、囚われの美耶姫の身に何が起きていたか、だ。
このドラマ最大の見せ場でもある。
大御所・南小路欣也の出演シーンでもあるだけに、現場のピリピリ感はすごい。
「はい、では、美耶子さん入ります」
絢爛な衣装をまとった姿で美耶子がセットに入る。
もう、降りてきている。
美耶子の双子の妹・珠子はガチの霊感体質だが、美耶子にもそういう才能があるのかもしれない。役どころにハマると、子役離れした演技力を見せる。
以前はその状態になるまで時間がかかったが、今ではスタートがかかるとスッと役に入れる。
美耶姫は明るく天真爛漫なところがありつつも、芯が強く、お家再興のために悪徳大名の寵愛を利用しようとするしたたかさも兼ね備えている、という設定だ。いわば、もともと二重人格的なキャラなのだ。
悪徳大名に扮した南小路欣也は寝具の上に座っていた。今週頭のカメラテストでは桃山園が代役をしていたが、まったく比べものにならない存在感だ。オーラが違いすぎる。
美耶子は三つ指をつき、南小路にあいさつする。もう戦国時代の姫君になったかのような所作だ。
「おじいちゃま、よろしくお願いいたします」
「うむ……まさか孫と同い年の女優とからむことになるとはな」
さすがの南小路のキャリアでも、十歳の女優と濡れ場を演じたことはあるまい。
「だが、いい目をしているな、美耶子ちゃん。女優の目だ。わたしも本気でいかせてもらおう」
言うなり、ふっと姿勢がかわる。傲岸で好色な悪徳大名そのものだ。
桃山園が演出の説明をする。
「ここは南小路先生におまかせしますわん。基本好きにやっていただいて、いけるとこまで、どうぞ」
いや、それ丸投げすぎるだろ。
「ふむ? 台本から外れてもいいのかな?」
南小路が確認する。
「もちろんですとも」
大物に弱い桃山園はへいこらしまくりだ。
「じゃあ、流れで最後までやっても平気かな?」
「大丈夫です。美耶子もそれでいいわよね」
「はい……おじいちゃまのしたいように」
美耶子もうなずく。静かだが、もう美耶姫になっている感じがする。
「そうか。では、始めよう」
南小路欣也と宇多方美耶子の濡れ場が――いや、戦いが始まる。
さて撮影開始!
さて、いよいよ今週の仕事も大詰めだ。ドラマ撮影である。
今日は大御所・南小路欣也との濡れ場がある。
映画、ドラマはむろん、最近はCMでのナレーションでも露出が多い。あの「お父さんネコ」の声といえば誰もがわかるだろう。芸能界の大御所の一人だ。
だが、年齢はもう七十を越えているはずだが、できるのか?
「だから、あんた、スタンバっておいてね」
ディレクターの桃山園にはそう言い渡されている。
濡れ場の代役だ。南小路欣也とおれは年齢も顔もまったく違うが、それでも南小路欣也と同じ衣装とヅラを着けさせられた。おい、これすげー蒸れるんだが。それに、着物の重たいこと。それだけで身動きできないくらいだ。
男優が撮影現場できっちり勃起させ、射精までいくのは、けっこう難しい。
多くのスタッフに囲まれ、ライトが煌々と輝く中で、段取りを間違えずにセックスするというのがいかに難しいことか。AV業界でも、女優のなり手はいくらでもいるが、男優はとても少ないのだ。
ましてや、子役を相手にする場合は、体格の違いや性器のサイズなども考慮に入れなくてはいけない。実際、おれも撮影現場をそれなりに見てきたが、しっかりと最後までできる俳優はほとんどいない。
そのため、挿入シーンの代役が必要になるのだ。
だいたい、ペッティングまでは俳優で撮影する。
美耶子は演技の天才だから、へたくそなペッティングでも、演出家が望むとおりの濡れっぷりを示す。
だが、俳優の方はフニャフニャのままということがままある。たとえ勃起しても、うまくイケないことも多い。逆に、入れたとたんに射精する早漏もいる。イケなくても早すぎても必要なシーンを撮ることができない。
そんなときは代役の出番だ。
子役の業界用語で「スタンドマン」という。「スタントマン」ではない。「勃つ」という言葉を「立つ」に移し替えて、「勃起状態をきちんとコントロールできる代役」のことをそういうのだ。
スタンドマンは芝居の進行を見つつ、きちんと勃起を維持しておき、挿入シーンだけを受け持つ。挿入シーンはたいてい結合部のアップだから、顔が似ていなくても大丈夫なのだ。
きちんと美耶子をイカせて、射精までいけるスタンドマンはそうはいない。おれと桃山園、あと数人というところか。さまざまな役者の代役ができるよう、年齢や体格にはバラつきがあるが、いずれも美耶子と身体の相性がよく、美耶子本人が選んだ男たちだ。中には、美耶子のファンクラブ会員から抜擢された変わり種もいる。
今日の南小路欣也は、年齢は高いががっしりした体格で、身長はおれとほぼ同じ。そういったところからおれにお鉢が回ってきたのだろう。
だが、仕事とはいえ、美耶子と濡れ場撮影となると、ちょっと期待してしまうな。
忘れてもらっては困るが、日本では未成年者とのセックスは禁じられている。相思相愛であってもだ。それに自宅では美耶子は普通の小学生だ。一子ちゃんをはじめ、家人の目もある。
つまり、美耶子とはプライベートではなかなかエッチできないのだ。
それに、撮影などが入ると、肌のコンディションも整えておかないといけない。キスマークなどもってのほかだ。美耶子の身体はもはや日本の芸能界でもトップクラスのコンテンツなのだ。
そう思うと、こう、チンチンがみなぎってくるな。
「今日のスタンドはゆーいち? やたっ」
美耶子も嬉しそうだ。
仕事は仕事と割り切ることができる美耶子だが、最初のうちは知らない男と撮影でからむことにナーバスになったり、泣きべそをかくこともあった。
そんな時はカメラテストと称して、おれは美耶子を抱いた。カメラテストなどといった建前をつかわないといけなかったのは、未成年者とのプライベートでのセックスは犯罪だからだ。
おれは美耶子専用の鎮静剤として珍重されるようになり、スタンドマンの仕組みも整っていったというわけだ。
いまでは、美耶子はおれがスタンドに入るのを心待ちにしている様子がある。
「じゃあ、今日、がんばるね。おじーちゃん相手だけど!」
南小路欣也が現場に入ると空気が一変した。
さすが、数多くの映画、ドラマに出演し、日本映画界の大御所と呼ばれる大物俳優だ。彼の名前が出演者欄に並ぶだけで作品に箔がつく。
ギャラも業界トップクラスらしいが、よくキャスティングできたな。さすがは窪塚プロデューサー。
「それがね、意外にリーズナブルだったらしいわよ、話によるとね」
桃山園が雑談のなかでそんなことを言っていた。
「共演者が美耶子だって聞いたら一発OKだったらしいわ」
なんでも、美耶子と同い年の孫娘がいるらしく、その子が美耶子の大ファンらしいのだ。
その時点では濡れ場があるとは知らなかったようだが――
美耶子は南小路欣也のところにすぐさま挨拶しに行った。このあたりはずいぶん世慣れてきた。
「ほほう、きみが美耶子ちゃんかね。大活躍しているそうだね」
目を細めて美耶子を見つめる視線は、孫を見る祖父のようだ。
「今日はよろしくお願いします、南小路先生」
「はは、先生はよしておくれ。そうだな、おじいちゃまと呼んでくれないか? うちの孫はそう呼ぶんだよ」
「はい――おじいちゃま」
にっこり微笑む美耶子。ほんとうに外面いいな、こいつは。
撮影が始まった。
このドラマのタイトルは「美耶姫異聞・あやかし砦の三悪人」。
ヒロイン・美耶姫は亡国の姫君で、霊能力を操る力を持つ巫女。珠子のキャラがちょっと入っている感じがするが、それは偶然だ。
あらすじは、こんな感じだ。
美耶姫は悪徳大名によって国を滅ぼされるが、忠義心の強い若侍に助け出され、母方の有力大名の領地を目指す。その途中で知り合った盗賊、破戒坊主、賞金稼ぎたちとともに旅をすることになる。悪党たちは美耶姫の影響で改心していく。
一方、若侍と美耶姫は互いに惹かれあうが身分の違いもあり、プラトニックなまま。そうこうするうちに、美耶姫は悪徳大名の手に落ちてしまう。
筋立てとしてはそこから若侍と悪党達による美耶姫奪還作戦につながっていくのだが、今日撮影するのは、その作戦が進む間に、囚われの美耶姫の身に何が起きていたか、だ。
このドラマ最大の見せ場でもある。
大御所・南小路欣也の出演シーンでもあるだけに、現場のピリピリ感はすごい。
「はい、では、美耶子さん入ります」
絢爛な衣装をまとった姿で美耶子がセットに入る。
もう、降りてきている。
美耶子の双子の妹・珠子はガチの霊感体質だが、美耶子にもそういう才能があるのかもしれない。役どころにハマると、子役離れした演技力を見せる。
以前はその状態になるまで時間がかかったが、今ではスタートがかかるとスッと役に入れる。
美耶姫は明るく天真爛漫なところがありつつも、芯が強く、お家再興のために悪徳大名の寵愛を利用しようとするしたたかさも兼ね備えている、という設定だ。いわば、もともと二重人格的なキャラなのだ。
悪徳大名に扮した南小路欣也は寝具の上に座っていた。今週頭のカメラテストでは桃山園が代役をしていたが、まったく比べものにならない存在感だ。オーラが違いすぎる。
美耶子は三つ指をつき、南小路にあいさつする。もう戦国時代の姫君になったかのような所作だ。
「おじいちゃま、よろしくお願いいたします」
「うむ……まさか孫と同い年の女優とからむことになるとはな」
さすがの南小路のキャリアでも、十歳の女優と濡れ場を演じたことはあるまい。
「だが、いい目をしているな、美耶子ちゃん。女優の目だ。わたしも本気でいかせてもらおう」
言うなり、ふっと姿勢がかわる。傲岸で好色な悪徳大名そのものだ。
桃山園が演出の説明をする。
「ここは南小路先生におまかせしますわん。基本好きにやっていただいて、いけるとこまで、どうぞ」
いや、それ丸投げすぎるだろ。
「ふむ? 台本から外れてもいいのかな?」
南小路が確認する。
「もちろんですとも」
大物に弱い桃山園はへいこらしまくりだ。
「じゃあ、流れで最後までやっても平気かな?」
「大丈夫です。美耶子もそれでいいわよね」
「はい……おじいちゃまのしたいように」
美耶子もうなずく。静かだが、もう美耶姫になっている感じがする。
「そうか。では、始めよう」
南小路欣也と宇多方美耶子の濡れ場が――いや、戦いが始まる。
さて撮影開始!
びっちな美耶子の一週間! (5)
2013/09/19 【びっちな美耶子の一週間!】
[木曜日]歌番組(ミュージックターミナル)
今日は歌番組の収録だった。美耶子はすでにCDデビューしている。小学生子役ユニット「WONDER12」のセンターとしてだ。
「WONDER12」は12歳以下の子役アイドルによるユニットで、人気急上昇中だ。
メンバーは五人。
宇多方美耶子(十歳)
恩田望結(九歳)
八合華音(九歳)
阿知多愛那(八歳)
松林月蘭(八歳)
いずれも映画、ドラマ、CMに引っ張りだこの人気子役たちだ。いちばん年上の美耶子がリーダーである。
デビュー曲は「はいてる? はいてない!?」で、いきなりのミリオンセラーだった。
なにしろ、衣装がきわどいミニスカートで、毎回、ランダムで「はいてない」子がいるというワレチラ必至の凶悪仕様だ。
彼女たちが出演する時間帯だけ、視聴率が跳ね上がるのも理解できる。「今日はどの子のワレメが見られるのか」が気にならない者はいまい。
それにしても、だ。本番前の「WONDER12」の楽屋はちょっとすごい雰囲気だ。
広々と楽屋だが、それぞれの子役が四隅と真ん中に散って、交流がない。
美耶子以外は全員、幼児の頃から子役を始めており、すでにベテランといっていい。プライドも高く、子供らしく一緒に遊ぶ、なんて光景はまず見られない。
柔軟剤のCMで大ブレイク中の恩田望結はヘッドホンで曲を聴きながら自分のパートの練習をしている。
美人さんな顔だちの八合華音はメイクの真っ最中だ。子供なんだから、すっぴんでいいのにな。
ハリウッドデビューを果たした阿知多愛那は、おそらくは次回作とおぼしい英語の台本を悠然とチェックしている。
一番幼い感じがする少林寺月蘭は、スマホで自分のブログとツイッターを高速更新しているようだ。
美耶子といえば、楽屋の畳スペースに腹ばいになって宿題と格闘中だ。ある意味、一番小学生らしい。
子役たち同様、マネージャー同士もピリピリしている。自分のところの子役アイドルがいかに目立つか、しか考えていない。
その対抗意識は強烈だ。
その日、番組のディレクターから、「今日のはいてない子」の指名があったときもそうだった。
楽屋にやってきたディレクターがおれに声をかけてきた。
「今日は美耶子ちゃんでお願いしますよ。はいてない子」
「え、またですか」
はいてない当番は美耶子に回ってくることが多い。三回に一回くらいのペースだ。
「やー、やっぱり美耶子ちゃんが当番の時が数字が取れるんで」
そう言われると悪い気はしない。そうそうたる人気子役のなかでも、おれの美耶子が一番人気だと実感する瞬間だからだ。
だが。
「ちょ、ちょっと、今日はウチの月蘭の番じゃないですか?」
松林月蘭のマネージャーが異をとなえる。
「はいてない子」は一種の人気バロメーターだから、あまり選ばれないのは困るのだ。ウチのタレントは人気がないです、と言っているようなものだからだ。
それに「はいてない子」に選ばれると、新規ファンが増えやすい。ネットの掲示板でも「今日のはいてない子」というスレが乱立し、IyahooやDoogleでもトレンドワードに選ばれる。
「いやいや、星蘭ちゃんはこの前はいてなかったでしょ? それより、ウチの望結を」
「待った、華音はこの前の、はいてない、で、ほとんどカメラで抜かれなかったんですよ。今日はお願いしますよ」
「愛那だって、ハリウッドじこみのダンステクで視聴率取りますよ! ぜひ、愛那で!」
たちまち営業合戦だ。
ディレクターは困り果ててしまう。いずれも人気子役だから、機嫌を損ねたくはない。現在のテレビ業界は子役ぬきでは成立しないのだ。
おれはその様子をすこし距離をとって見守っていた。正直、美耶子が他の子を押しのけてまで「はいてない子」をしなくてもいいかな、という醒めた感覚だった。
だが、大人たちのやりとりはいっかな収束しない。
「じゃーさー」
ぽつり、美耶子が言う。宿題をしつつ、大人達のやりとりを聞いていたらしい。
「今日は全員『はかない子』でいーんじゃない?」
「えっ」
「えっ」
「えっ」
「えっ」
「……その手があったか」
とはディレクターだ。
大丈夫か、こいつら。
その日の「WONDER12」のステージ収録が始まった。
ステージ衣装のミニスカートがひらひらする。見えそうで見えない絶妙のカメラワーク。
そして、いよいよ盛り上がるソロダンスパートが到来。
『はいてる? はいてない!?』
というかけ声に続いて、それぞれのスカートをめくって視聴者にアピールするのだ。
ふだんなら、「はいてない子」以外は、『はいてるよ』という歌詞とともにパンツを見せてくれるのだが、今回は全員はいていないので――
『はいてなあい!』
恩田望結の9歳まんこが、くぱっ。もちろん無毛の綺麗なワレメで、中は濃いピンク。
『はいてないよぅ』
八合華音の9歳アナルが、ぬち……っ。男優との本番もこなすお姉さんアナルだ。
『はいてないもん!』
松林月蘭の8歳クリトリスを、むきっ。小粒だが、しっかり勃起しているのが可愛い。
『はいてません!』
阿知多愛那にいたっては、8歳M字開脚で、膣奥まで晒して見せた。ハリウッドで黒人男優とのからみも体験した世界レベルのロリまんだ。
最後はセンターの美耶子だ。するすると立ち位置に移動するとスカートをたくしあげ――
『ごめーん、今日は、はいてます』
なんと、美耶子はワレメをギリギリ隠す極小サイズのパンティをはいていたのだ。
だが、それだけではない。
パンティの布地を押し上げるプラスチックの異物が画面に大写しになったのだ。
異物からはコードが延び出しており、小刻みに震えていた。バイブだ。
『じつは、はいってまーす!』
てへぺろしつつ、腰をくねらせる。愛液がパンティの布地にしみこみ、バイブとそれに押し広げられる秘肉をくっきりと浮かび上がらせる。
そのものズバリより何倍もエロい――それだけではなく、これまでのダンスパフォーマンスをバイブを入れた状態でこなしていたことに驚かされる。
この日の「WONDER12」の出演シーンは、メンバーの大盤振る舞いおかげで、視聴率は全般的に高かったようだが、瞬間視聴率トップだったのは、美耶子ソロダンスのシーンだった。
出演後に美耶子は、
「てゆーか、みんな見せてたら、ありがたみないでしょ。一人くらい隠してた方がよくない?」
とのたまった。
それにしても、バイブはやりすぎだったかもしれない。ディレクターは始末書を書かされたそうだが、同時に高視聴率のおかげで社長賞も出たらしい。
ともあれ、この日の放送が大反響となり、「WONDER12」の全国ツアーが決定したのはまた別の話だ。
金曜日につづく
今日は歌番組の収録だった。美耶子はすでにCDデビューしている。小学生子役ユニット「WONDER12」のセンターとしてだ。
「WONDER12」は12歳以下の子役アイドルによるユニットで、人気急上昇中だ。
メンバーは五人。
宇多方美耶子(十歳)
恩田望結(九歳)
八合華音(九歳)
阿知多愛那(八歳)
松林月蘭(八歳)
いずれも映画、ドラマ、CMに引っ張りだこの人気子役たちだ。いちばん年上の美耶子がリーダーである。
デビュー曲は「はいてる? はいてない!?」で、いきなりのミリオンセラーだった。
なにしろ、衣装がきわどいミニスカートで、毎回、ランダムで「はいてない」子がいるというワレチラ必至の凶悪仕様だ。
彼女たちが出演する時間帯だけ、視聴率が跳ね上がるのも理解できる。「今日はどの子のワレメが見られるのか」が気にならない者はいまい。
それにしても、だ。本番前の「WONDER12」の楽屋はちょっとすごい雰囲気だ。
広々と楽屋だが、それぞれの子役が四隅と真ん中に散って、交流がない。
美耶子以外は全員、幼児の頃から子役を始めており、すでにベテランといっていい。プライドも高く、子供らしく一緒に遊ぶ、なんて光景はまず見られない。
柔軟剤のCMで大ブレイク中の恩田望結はヘッドホンで曲を聴きながら自分のパートの練習をしている。
美人さんな顔だちの八合華音はメイクの真っ最中だ。子供なんだから、すっぴんでいいのにな。
ハリウッドデビューを果たした阿知多愛那は、おそらくは次回作とおぼしい英語の台本を悠然とチェックしている。
一番幼い感じがする少林寺月蘭は、スマホで自分のブログとツイッターを高速更新しているようだ。
美耶子といえば、楽屋の畳スペースに腹ばいになって宿題と格闘中だ。ある意味、一番小学生らしい。
子役たち同様、マネージャー同士もピリピリしている。自分のところの子役アイドルがいかに目立つか、しか考えていない。
その対抗意識は強烈だ。
その日、番組のディレクターから、「今日のはいてない子」の指名があったときもそうだった。
楽屋にやってきたディレクターがおれに声をかけてきた。
「今日は美耶子ちゃんでお願いしますよ。はいてない子」
「え、またですか」
はいてない当番は美耶子に回ってくることが多い。三回に一回くらいのペースだ。
「やー、やっぱり美耶子ちゃんが当番の時が数字が取れるんで」
そう言われると悪い気はしない。そうそうたる人気子役のなかでも、おれの美耶子が一番人気だと実感する瞬間だからだ。
だが。
「ちょ、ちょっと、今日はウチの月蘭の番じゃないですか?」
松林月蘭のマネージャーが異をとなえる。
「はいてない子」は一種の人気バロメーターだから、あまり選ばれないのは困るのだ。ウチのタレントは人気がないです、と言っているようなものだからだ。
それに「はいてない子」に選ばれると、新規ファンが増えやすい。ネットの掲示板でも「今日のはいてない子」というスレが乱立し、IyahooやDoogleでもトレンドワードに選ばれる。
「いやいや、星蘭ちゃんはこの前はいてなかったでしょ? それより、ウチの望結を」
「待った、華音はこの前の、はいてない、で、ほとんどカメラで抜かれなかったんですよ。今日はお願いしますよ」
「愛那だって、ハリウッドじこみのダンステクで視聴率取りますよ! ぜひ、愛那で!」
たちまち営業合戦だ。
ディレクターは困り果ててしまう。いずれも人気子役だから、機嫌を損ねたくはない。現在のテレビ業界は子役ぬきでは成立しないのだ。
おれはその様子をすこし距離をとって見守っていた。正直、美耶子が他の子を押しのけてまで「はいてない子」をしなくてもいいかな、という醒めた感覚だった。
だが、大人たちのやりとりはいっかな収束しない。
「じゃーさー」
ぽつり、美耶子が言う。宿題をしつつ、大人達のやりとりを聞いていたらしい。
「今日は全員『はかない子』でいーんじゃない?」
「えっ」
「えっ」
「えっ」
「えっ」
「……その手があったか」
とはディレクターだ。
大丈夫か、こいつら。
その日の「WONDER12」のステージ収録が始まった。
ステージ衣装のミニスカートがひらひらする。見えそうで見えない絶妙のカメラワーク。
そして、いよいよ盛り上がるソロダンスパートが到来。
『はいてる? はいてない!?』
というかけ声に続いて、それぞれのスカートをめくって視聴者にアピールするのだ。
ふだんなら、「はいてない子」以外は、『はいてるよ』という歌詞とともにパンツを見せてくれるのだが、今回は全員はいていないので――
『はいてなあい!』
恩田望結の9歳まんこが、くぱっ。もちろん無毛の綺麗なワレメで、中は濃いピンク。
『はいてないよぅ』
八合華音の9歳アナルが、ぬち……っ。男優との本番もこなすお姉さんアナルだ。
『はいてないもん!』
松林月蘭の8歳クリトリスを、むきっ。小粒だが、しっかり勃起しているのが可愛い。
『はいてません!』
阿知多愛那にいたっては、8歳M字開脚で、膣奥まで晒して見せた。ハリウッドで黒人男優とのからみも体験した世界レベルのロリまんだ。
最後はセンターの美耶子だ。するすると立ち位置に移動するとスカートをたくしあげ――
『ごめーん、今日は、はいてます』
なんと、美耶子はワレメをギリギリ隠す極小サイズのパンティをはいていたのだ。
だが、それだけではない。
パンティの布地を押し上げるプラスチックの異物が画面に大写しになったのだ。
異物からはコードが延び出しており、小刻みに震えていた。バイブだ。
『じつは、はいってまーす!』
てへぺろしつつ、腰をくねらせる。愛液がパンティの布地にしみこみ、バイブとそれに押し広げられる秘肉をくっきりと浮かび上がらせる。
そのものズバリより何倍もエロい――それだけではなく、これまでのダンスパフォーマンスをバイブを入れた状態でこなしていたことに驚かされる。
この日の「WONDER12」の出演シーンは、メンバーの大盤振る舞いおかげで、視聴率は全般的に高かったようだが、瞬間視聴率トップだったのは、美耶子ソロダンスのシーンだった。
出演後に美耶子は、
「てゆーか、みんな見せてたら、ありがたみないでしょ。一人くらい隠してた方がよくない?」
とのたまった。
それにしても、バイブはやりすぎだったかもしれない。ディレクターは始末書を書かされたそうだが、同時に高視聴率のおかげで社長賞も出たらしい。
ともあれ、この日の放送が大反響となり、「WONDER12」の全国ツアーが決定したのはまた別の話だ。
金曜日につづく
びっちな美耶子の一週間! (4)
2013/09/18 【びっちな美耶子の一週間!】
[水曜日] グラビア撮影(週刊少年マンガJIN)
学校が終わって、すぐにスタジオに。今日はグラビア撮影だ。
子役ブームはグラビア界にも押し寄せていて、いまや人気雑誌の表紙を13歳以上のモデルが飾ることは珍しいといっていい。
美耶子もほぼ毎週、なんらかの雑誌の表紙を飾っている。
今日は、週刊漫画雑誌だったな。300万部くらいでているやつだ。
髪をツインテにまとめ、水着に着替えた仕事モードの美耶子がスタジオに入る。
水着は白のマイクロビキニ。両乳首と股間をかろうじて隠しているだけの過激なデザインだ。おしりはヒモだけの、いわゆるTバック。
「はい、じゃあ、美耶子ちゃん、はじめよっかー」
カメラマンは馬酔木呉羽(あしびくれは)。女性カメラマンで、ものすごい美人だ。コスプレイヤー出身でセルフヌード写真集も出したことがある。そういえば、おれもお世話になったことがあるな。
「よろしくお願いしまーす」
すでに何度かこのカメラマンと仕事をしているので美耶子もリラックスムードだ。
撮影が開始される。
女性らしい細やかな視点で、被写体である美耶子の姿を切り取っていく。
撮影助手、照明スタッフなどもきびきびと働く。
美耶子もリラックスして、カメラマンの指示に応えてさまざまなポーズをとる。
「はい、じゃあ、四つん這いになって、おしりをぐっと突き上げてみようか」
「はーい」
グラビアの定番、女豹のポーズだ。
Tバックのヒップを接写する。アヌスがぎりぎり隠れるほどの布地しかない。
美耶子と同年代の読者もいる雑誌だ。同級生のような少女のマイクロビキニ姿を見て、彼らはどう感じるのだろうか。
「可愛いおしりね、でも、もっと可愛くしてみようか」
撮影助手が霧吹きを持ってきて、美耶子のおしりや水着に霧を吹きかける。
ライトに照らされた水滴がきらきら光り、美耶子の肌を輝かせる。
美耶子の股間の三角布も水を吸って、さらにワレメに食い込み、性器の形をくっきりと浮き出させる。
「良いわね、良い感じ」
ポーズを変えながら、撮影は順調に進む。
「じゃ、おっぱい見せてみようか」
呉羽が指示する。
美耶子は笑いながらビキニのブラをずらして見せる。
もともとほぼ真っ平らだから、ちょっとヒモをひっぱるだけで、ピンクの尖りが顔を現す。
「あれ? ちょっと膨らんだ?」
「うーん、ちょっと、だけ?」
美耶子は自分で胸を軽く揉む。
そのふくらみはまだ萌芽という感じで、乳首の周辺にすこし隆起がある程度だが、それでも数ヶ月単位で見れば成長はしているのだろう。
呉羽と会話しつつ、トップレスになった美耶子。
ここらあたりからの内容は、雑誌の「袋とじ」に収められることになる。
子役グラビアの現在の流行だ。
雑誌を立ち読みですまさず、買わせるためのテクニックだ。
マイクロビキニの少女が、袋とじの中ではどんな姿になるのか――青少年たちは妄想をたぎらせ、雑誌をレジに持って行くことになるのだ。
トップレスでいくつかのポーズを写真におさめたのち、いよいよ――
「じゃ、美耶子ちゃん、脚を開いて……」
フロアに座った美耶子は開脚し、マイクロビキニの布をついっとずらす。
露出する美耶子の性器。
「やっぱりきれいねえ、小学生のおまんこ」
女性カメラマンの口から「おまんこ」という言葉がさらりと出てくる。それが今の子役業界の常識なのだ。
呉羽は美耶子のワレメをパシャパシャ接写する。
「ちょっと、くぱあしてくれる?」
「はあい」
何のためらいもなく美耶子は指でその部分を広げる。
美しい粘膜を晒す。
「クリちゃんの皮を剥いて……そうそう、お豆ちゃん、きれいよ。読者のお兄ちゃんたちにもっとよく見せてあげて」
美耶子の小さなクリはせいいっぱい背伸びするように勃起している。
その下のおしっこの穴、さらに膣口は広げられ、中の構造まで見せている。
おしりの穴も少し広がっている。
下半身の穴が、ぜんぶまる出しだ。
「ああ、良いわね、この色、すごく綺麗……うらやましいな」
「えへへ」
まんざらではなさそうな美耶子。同じ女性から褒められるのは、やはりちょっと違う感覚なのかもしれない。
「じゃ、濡らしてこう」
また霧吹き登場だ。
まだ若い撮影助手が、美耶子の股間に念入りに水滴を浴びせる。
「そいや、タカシくん、美耶子ちゃんのファンだっけ」
「え、あ……はい」
タカシと呼ばれた撮影助手は恥ずかしそうにうなずく。顔が真っ赤だ。
「そーなんですか? 嬉しいなー」
股間をさらしながら美耶子が喜ぶ。
「じゃ、せっかくだから、美耶子ちゃんを中から濡らしてみよっか」
「え」
「霧吹きで外から濡らすだけじゃなくて、中から、トロッとね、でてくるところを撮りたいの」
「マジで」
「美耶子ちゃんも自分で触るより、男の人に触ってもらったほうがいいでしょ? 助手くんけっこうイケメンだし」
「はい♪ お願いしまーす」
大股開きをしたまま腰を軽く浮かし、男の愛撫をねだる。さすがはナンバーワンのJSビッチ女優だ。
「うひゃあ……ラッキー♪」
撮影助手は美耶子の股間に手を伸ばす。
美耶子のワレメをついと開き、ピンクの粘膜をあらわにする。
「すっげーキレイっすねー」
「ありがとぉ」
「クリもちっちゃいなあ」
指先でクリトリスを刺激する。
「あっ……その触りかた、いい、かも……」
ひくんっ、小さな身体を震わせる。
「マジすか、どんどんいきますよ」
撮影助手は調子をよくして、美耶子のクリトリスを指でつまんで、コスコスしはじめる。
「ひゃっ、あっ……あんっ! そ、それ、イイ」
腰を上下に動かす美耶子。
「良いね、良いよ」
呉羽は美耶子の股間をバシバシ撮りまくる。子供の性器と大人の指の組み合わせは、問題ない。大人の指は性器ではないし、子供の性器は生殖に関係しないから――
「あっ……指、入ってきたぁ……」
撮影助手の中指が美耶子の膣に入っている。
「美耶子ちゃんのおまんこの穴、ちっちぇー! あったけー!」
ファンだったら嬉しくないはずはないだろう。好きな子役の性器を合法的にイタズラできるのだから。
抜き差しする指の速度が上がっていく。
「はあ……んっ! んっ! んーっ!」
美耶子が鼻を鳴らして悦ぶ。
「あー、おれの指で美耶子ちゃんが……たまんね」
「いいわよ、そのまま、美耶子ちゃん、いかせちゃって」
「まじすか!?」
助手は興奮を声に表しつつ、指の抜き差しを早めていく。
「あっ、あっ、あっ、指っ! 指ィッ!」
小さなおしりが浮き上がる。
「めちゃくちゃ濡れて……! すげ、きゅんきゅん締めつけて来る!」
膣穴に指を出し入れするたび、愛液がプチュプチュと流れ出る。
「クリちゃんも剥いてあげて」
呉羽が指示をだす。
「はい」
助手は美耶子の膣を指マンしつつ、大きくなったクリトリスをつまんで引っ張る。
「くひっ! ふああああああっ!」
美耶子が絶頂を迎える。
ずっと鳴り止むことのないシャッター音がその表情を彩る。
「おっきく広げて。イキたての子供まんこ、見せて」
「んぅ……う……っ、うっ」
美耶子は身体をひくつかせながら、M字開脚し、自分で性器を大きく広げる。
充血しきった、トロトロの膣穴を、奥の奥まで見せる。
「良いわよ、美耶子ちゃん、その蕩けた表情とおまんこ。さすがだわ……」
カシャカシャと撮り続ける馬酔木呉羽。
この表情のアップが週刊少年漫画誌の表紙に使われ、膣穴接写入りの袋とじグラビアの過激さもあいまって、その号は記録的な売上になったそうだ。
そのことが出版社を動かし、このカメラマンとのコラボで写真集&イメージビデオの海外ロケ企画が決定した、というのはまた後日の、別の話だ。
木曜日につづく
学校が終わって、すぐにスタジオに。今日はグラビア撮影だ。
子役ブームはグラビア界にも押し寄せていて、いまや人気雑誌の表紙を13歳以上のモデルが飾ることは珍しいといっていい。
美耶子もほぼ毎週、なんらかの雑誌の表紙を飾っている。
今日は、週刊漫画雑誌だったな。300万部くらいでているやつだ。
髪をツインテにまとめ、水着に着替えた仕事モードの美耶子がスタジオに入る。
水着は白のマイクロビキニ。両乳首と股間をかろうじて隠しているだけの過激なデザインだ。おしりはヒモだけの、いわゆるTバック。
「はい、じゃあ、美耶子ちゃん、はじめよっかー」
カメラマンは馬酔木呉羽(あしびくれは)。女性カメラマンで、ものすごい美人だ。コスプレイヤー出身でセルフヌード写真集も出したことがある。そういえば、おれもお世話になったことがあるな。
「よろしくお願いしまーす」
すでに何度かこのカメラマンと仕事をしているので美耶子もリラックスムードだ。
撮影が開始される。
女性らしい細やかな視点で、被写体である美耶子の姿を切り取っていく。
撮影助手、照明スタッフなどもきびきびと働く。
美耶子もリラックスして、カメラマンの指示に応えてさまざまなポーズをとる。
「はい、じゃあ、四つん這いになって、おしりをぐっと突き上げてみようか」
「はーい」
グラビアの定番、女豹のポーズだ。
Tバックのヒップを接写する。アヌスがぎりぎり隠れるほどの布地しかない。
美耶子と同年代の読者もいる雑誌だ。同級生のような少女のマイクロビキニ姿を見て、彼らはどう感じるのだろうか。
「可愛いおしりね、でも、もっと可愛くしてみようか」
撮影助手が霧吹きを持ってきて、美耶子のおしりや水着に霧を吹きかける。
ライトに照らされた水滴がきらきら光り、美耶子の肌を輝かせる。
美耶子の股間の三角布も水を吸って、さらにワレメに食い込み、性器の形をくっきりと浮き出させる。
「良いわね、良い感じ」
ポーズを変えながら、撮影は順調に進む。
「じゃ、おっぱい見せてみようか」
呉羽が指示する。
美耶子は笑いながらビキニのブラをずらして見せる。
もともとほぼ真っ平らだから、ちょっとヒモをひっぱるだけで、ピンクの尖りが顔を現す。
「あれ? ちょっと膨らんだ?」
「うーん、ちょっと、だけ?」
美耶子は自分で胸を軽く揉む。
そのふくらみはまだ萌芽という感じで、乳首の周辺にすこし隆起がある程度だが、それでも数ヶ月単位で見れば成長はしているのだろう。
呉羽と会話しつつ、トップレスになった美耶子。
ここらあたりからの内容は、雑誌の「袋とじ」に収められることになる。
子役グラビアの現在の流行だ。
雑誌を立ち読みですまさず、買わせるためのテクニックだ。
マイクロビキニの少女が、袋とじの中ではどんな姿になるのか――青少年たちは妄想をたぎらせ、雑誌をレジに持って行くことになるのだ。
トップレスでいくつかのポーズを写真におさめたのち、いよいよ――
「じゃ、美耶子ちゃん、脚を開いて……」
フロアに座った美耶子は開脚し、マイクロビキニの布をついっとずらす。
露出する美耶子の性器。
「やっぱりきれいねえ、小学生のおまんこ」
女性カメラマンの口から「おまんこ」という言葉がさらりと出てくる。それが今の子役業界の常識なのだ。
呉羽は美耶子のワレメをパシャパシャ接写する。
「ちょっと、くぱあしてくれる?」
「はあい」
何のためらいもなく美耶子は指でその部分を広げる。
美しい粘膜を晒す。
「クリちゃんの皮を剥いて……そうそう、お豆ちゃん、きれいよ。読者のお兄ちゃんたちにもっとよく見せてあげて」
美耶子の小さなクリはせいいっぱい背伸びするように勃起している。
その下のおしっこの穴、さらに膣口は広げられ、中の構造まで見せている。
おしりの穴も少し広がっている。
下半身の穴が、ぜんぶまる出しだ。
「ああ、良いわね、この色、すごく綺麗……うらやましいな」
「えへへ」
まんざらではなさそうな美耶子。同じ女性から褒められるのは、やはりちょっと違う感覚なのかもしれない。
「じゃ、濡らしてこう」
また霧吹き登場だ。
まだ若い撮影助手が、美耶子の股間に念入りに水滴を浴びせる。
「そいや、タカシくん、美耶子ちゃんのファンだっけ」
「え、あ……はい」
タカシと呼ばれた撮影助手は恥ずかしそうにうなずく。顔が真っ赤だ。
「そーなんですか? 嬉しいなー」
股間をさらしながら美耶子が喜ぶ。
「じゃ、せっかくだから、美耶子ちゃんを中から濡らしてみよっか」
「え」
「霧吹きで外から濡らすだけじゃなくて、中から、トロッとね、でてくるところを撮りたいの」
「マジで」
「美耶子ちゃんも自分で触るより、男の人に触ってもらったほうがいいでしょ? 助手くんけっこうイケメンだし」
「はい♪ お願いしまーす」
大股開きをしたまま腰を軽く浮かし、男の愛撫をねだる。さすがはナンバーワンのJSビッチ女優だ。
「うひゃあ……ラッキー♪」
撮影助手は美耶子の股間に手を伸ばす。
美耶子のワレメをついと開き、ピンクの粘膜をあらわにする。
「すっげーキレイっすねー」
「ありがとぉ」
「クリもちっちゃいなあ」
指先でクリトリスを刺激する。
「あっ……その触りかた、いい、かも……」
ひくんっ、小さな身体を震わせる。
「マジすか、どんどんいきますよ」
撮影助手は調子をよくして、美耶子のクリトリスを指でつまんで、コスコスしはじめる。
「ひゃっ、あっ……あんっ! そ、それ、イイ」
腰を上下に動かす美耶子。
「良いね、良いよ」
呉羽は美耶子の股間をバシバシ撮りまくる。子供の性器と大人の指の組み合わせは、問題ない。大人の指は性器ではないし、子供の性器は生殖に関係しないから――
「あっ……指、入ってきたぁ……」
撮影助手の中指が美耶子の膣に入っている。
「美耶子ちゃんのおまんこの穴、ちっちぇー! あったけー!」
ファンだったら嬉しくないはずはないだろう。好きな子役の性器を合法的にイタズラできるのだから。
抜き差しする指の速度が上がっていく。
「はあ……んっ! んっ! んーっ!」
美耶子が鼻を鳴らして悦ぶ。
「あー、おれの指で美耶子ちゃんが……たまんね」
「いいわよ、そのまま、美耶子ちゃん、いかせちゃって」
「まじすか!?」
助手は興奮を声に表しつつ、指の抜き差しを早めていく。
「あっ、あっ、あっ、指っ! 指ィッ!」
小さなおしりが浮き上がる。
「めちゃくちゃ濡れて……! すげ、きゅんきゅん締めつけて来る!」
膣穴に指を出し入れするたび、愛液がプチュプチュと流れ出る。
「クリちゃんも剥いてあげて」
呉羽が指示をだす。
「はい」
助手は美耶子の膣を指マンしつつ、大きくなったクリトリスをつまんで引っ張る。
「くひっ! ふああああああっ!」
美耶子が絶頂を迎える。
ずっと鳴り止むことのないシャッター音がその表情を彩る。
「おっきく広げて。イキたての子供まんこ、見せて」
「んぅ……う……っ、うっ」
美耶子は身体をひくつかせながら、M字開脚し、自分で性器を大きく広げる。
充血しきった、トロトロの膣穴を、奥の奥まで見せる。
「良いわよ、美耶子ちゃん、その蕩けた表情とおまんこ。さすがだわ……」
カシャカシャと撮り続ける馬酔木呉羽。
この表情のアップが週刊少年漫画誌の表紙に使われ、膣穴接写入りの袋とじグラビアの過激さもあいまって、その号は記録的な売上になったそうだ。
そのことが出版社を動かし、このカメラマンとのコラボで写真集&イメージビデオの海外ロケ企画が決定した、というのはまた後日の、別の話だ。
木曜日につづく
いきなり始まっておりますが
2013/09/18 【日記】
お久しぶりです。
3連休のあいだに書きかけファイルに書き足していくうちに興がのり、完成してしまったので、小説を公開します。またもや美耶子です。すみません。
今回は「美耶子の一週間」というネタですので、一日ごとに分けて更新します。だいたい18:00ころに投稿します。その日あったことがブログに公開されている、という感じかもしれません。
ここまでは淡々とした感じですが、週末にかけてちょっと盛り上がるかな? 一気呵成に書き上げた勢いだけは伝わるかも……
美耶子は外伝ばっかり書いてるせいで、うづきもこっちが正規ルートのような気がしてきましたが、これは「ありえない世界」を描いた外伝です。でも、キャラのメンタリティは本編とあまり変わりはないんだな、と書き上げてから思いました。前提となっている社会通念が狂ってるだけで。
あと、先行公開した挿絵は、本編へ掲載するので引っ込めました。コメントつけてくださった方、拍手してくださった方すみません。
それでは、今週、美耶子のこと、よろしくお願いします。
3連休のあいだに書きかけファイルに書き足していくうちに興がのり、完成してしまったので、小説を公開します。またもや美耶子です。すみません。
今回は「美耶子の一週間」というネタですので、一日ごとに分けて更新します。だいたい18:00ころに投稿します。その日あったことがブログに公開されている、という感じかもしれません。
ここまでは淡々とした感じですが、週末にかけてちょっと盛り上がるかな? 一気呵成に書き上げた勢いだけは伝わるかも……
美耶子は外伝ばっかり書いてるせいで、うづきもこっちが正規ルートのような気がしてきましたが、これは「ありえない世界」を描いた外伝です。でも、キャラのメンタリティは本編とあまり変わりはないんだな、と書き上げてから思いました。前提となっている社会通念が狂ってるだけで。
あと、先行公開した挿絵は、本編へ掲載するので引っ込めました。コメントつけてくださった方、拍手してくださった方すみません。
それでは、今週、美耶子のこと、よろしくお願いします。
びっちな美耶子の一週間! (3)
2013/09/17 【びっちな美耶子の一週間!】
[火曜日] てんまのめんま(バラエティ)
バラエティの収録はドラマとはずいぶん雰囲気がちがう。
ドラマは監督(ディレクター)のものだが、バラエティは司会者のものだ。
司会者がすべてを支配する。ゲストをどういじるかも、司会者の技量次第だ。
その番組は放送開始から二十年間、トークバラエティとしてはトップクラスの人気を保っている。関西出身の大物コメディアン・白馬亭(ぺがさすてい)てんま師匠が仕切っている「てんまのめんま」だ。
美耶子をゲストに、というのは広告代理店側からの熱烈なオファーだった。「てんま師匠がぜひにと」と言ってきた。そういえば喜んで応じると先方は思ったかもしれないが、美耶子は女優であってタレントではない。タレントを別に低く見ているわけではなく、「演技」をしない素の美耶子は単なるおバカな小学生にすぎない。タレント的な当意即妙のトークなど望むべくもない。なので断った。
だが、向こうは執拗で、ついには窪塚プロデューサーまで動かしてきた。芸能界での美耶子の後見人とも言える窪塚氏に頼まれたらさすがに断れない。
美耶子自身は、「わお、めんまちゃんに会えるやン」などと怪しげな関西弁で喜んだ。めんまというのは番組のマスコットの着ぐるみキャラだ。
そんなわけで収録に臨んだわけだが。
初っぱなからてんま師匠はトバしてきた。
「小学生でエッチしてるんちゃうん、じぶん、めっちゃエロいな!」
さっそくのぶっちゃけエロトークだ。
この国のテレビの「常識」では、初潮前の少女にペニスを入れても性交とはみなされない。まあ、そんなわきゃあないのだが、テレビで「パチンコは賭博だ」とは口が裂けても言えないのと同じことだ。
そのために、その手の質問はマナー違反といえる。もちろん、事前に申し入れ済みのNGワードにも含まれている。
だが、この番組は、プロデューサーもディレクターも、てんま師匠のイエスマンにすぎない。誰も止める者がいない。
すべては、てんま師匠の思うがままだ。
てんま師匠は、UNDER12のアイドルがお好みらしく、ツイッターでも美耶子をはじめとするジュニアアイドルに粘着していて、気持ち悪い書き込みを繰り返していた。それもあって、美耶子を出演させるのは気がすすまなかったのだ。だが、てんま師匠が大手広告代理店に強く働きかけ、それが窪塚プロデューサーに波及し、どうしても断り切れなくなってしまった。大物タレントの横車、おそるべし、である。
そうして出演させたら、このざまだ。
生放送にもかかわらず、てんまは美耶子に性的な質問を連発する。
「おっぱいとかペッタンコやろ? ちょっと見せてみい」
「いままで、何人くらいとエッチしたん?」
さすが、「セックス」を「エッチ」という言葉に置き換えることで、ゴールデンのバラエティ番組で下ネタを成立させただけのことはある。イヤらしい質問を巧みにぶつけてくる。
対する美耶子も、
「オッパイですか? はい!(チラッ)」
とか
「てんま師匠は今まで食べたパンの数覚えてますか?(にこっ)」
などと切り返す。いや、真っ向から答えてしまっている気もするが。
「なんやそりゃ、ビッチやんけ、ひゃっひゃっひゃっ! じぶん、そないにエッチ好きなんか?」
てんま師匠はご機嫌だ。
「好きかどうかはわからないけど、お芝居で必要なことは全部やりたいんです」
「でも、感じてるんやろ? ドラマでも毎回、潮ふいてるやん」
「あ、見ててくださるんですか! うれしーです(にこっ)。えと、感じてるとか、演技に入ったら夢中になっちゃうから、よくわかんないですー」
「いままで、エッチして一番気持ち良かった男優は?」
「ゆーいち!(即答)」
「だれやそれ! おい、だれやねん、それ!」
そこで、てんま師匠はしばし荒れて暴れだす。
「ゆういち」が「おにいちゃん、だいすき!」での兄役の名前であることがわかり、てんま師匠は少し落ち着いた。
実際はおれのことだが、役名のことにしておかないとおれがタイーホされるからな……未成年とプライベートでセックスするのは、今でも違法なのだから。でも、これでドラマで「ゆういち」を演じた亀垣がまた増長するな。これまでの美耶子の無邪気な発言により、「ゆういち」は子役相手のベッドシーンが巧いという評判がたち、いまや押しも押されぬ演技派俳優として活躍しているのだ。
てんま師匠のセクハラトークで十五分、後半の十五分はてんまのゴリ押しで、美耶子はパンツ一丁でてんまの膝の上に乗せられることになった。「ドラマ撮影の再現」というていで。
ゴールデンのバラエティで女児の裸が放送されたばかりでなく、てんまは美耶子にヘビーペッティングをおこなった――ただし、それでもテレビコード上は問題ない。セックスではないから。
胸を両手でさすりながら、
「ほんまぺったんこな乳やなあ」
とからかう。この場合は、文字通り、イジっているというべきか。
それに対して美耶子は、
「だって十歳ですもん」
と返しつつ、ちょっと唇をとがらせる。
まあ、同年代の子より発育はちょっと遅いかもしれない。だが、多少の膨らみはあるし、美耶子の肌は絹のようになめらかですべすべだから、手触りはいいはずだ。
「先っちょ、かたくなってるやんけ」
指で、乳首をくりくりする。たしかに、勃起している。
「だ、だって、師匠がさわるんだもん……えっち」
「子供の乳首やぞ? エッチなことあるかい。こんなん、ただのスキンシップや」
言いつつ、てんま師匠の顔はだらしなく歪み、さらなる好奇心に駆られたようだ。
「で、パンツのなかはどないなっとんねん?」
「え、えええっ!? パンツもぉ?」
うろたえる美耶子の反応に、さらにてんまは興奮し、美耶子のパンツに手をかけた。
美耶子は絶妙な身のこなしで、カメラ的にいちばんおいしい、「かわいいおしりがつるん」と出る絵を作り出す。
「やだああ、もぉおお」
と言いつつ、てんまの腕のなかですっぽんぽんにされた。
おそらく視聴率はぐんぐん上昇中だろう。子役タレントの全裸はもう珍しくないが、てんま×美耶子の組み合わせはインパクトがある。
てんまは自分の膝の上で美耶子を開脚させた。
「なんや、自分、めっちゃ濡らしてるやんけ」
美耶子の性器を指で広げ、クリトリスをいじくる。
全国放送で、公開される美耶子の性器。
てんまはカメラに接写を命じ、膣口に容赦なく指を出し入れする。
それでも美耶子は気品を失わない。
「はぁ……あ……てんまさん、じょおずぅ……」
相手を立てることも忘れない。
問題は、てんまがその気になって、おっ勃ててしまったことだ。
番組終了間際になって、興奮のあまりズボンを脱ぎ始めた。ペニスを露出させる。
くどいようだが、大人の性器は依然として放送禁止だ。猥褻物にあたるからだ。
番組キャラクターの着ぐるみ「めんま」が身をていして、てんまの陰部を隠さなければ、放送事故になっていたところだ。
もっとも、それも込みの演出だったら、さすがというべきだが――
いや、ちがうか。
放送終了のテロップが出ても、てんま師匠は美耶子に襲いかかろうとしていたからな。さすがにスタッフに制止されていたが――
まあ、グダグダな終わり方だったが、視聴率はとてもよかったらしい。長寿は誇るものの最近は低空飛行を続けていたその番組が久々に叩き出した高視聴率だった。
そのおかげで、美耶子にはバラエティ番組出演のオファーが大量に舞い込むことになった。
てんま師匠からも個人的なお誘いが美耶子あてに何度もきた。
『おっちゃんのテクニック、よかったやろ? ええもんこうたるから、デートせえへんか?』
といったメールが日に何度も着信しているのを、笑いながら美耶子が報告してきたので、てんまの所属事務所に抗議と警告をおこなった。
『お忘れかもしれませんが、芸能活動以外で未成年者と性行為をするのは犯罪です』
以来、てんま師匠からのセクハラメールはやんだが。師匠は美耶子をあきらめていなかったようだ。
この事件がきっかけで、夏の29時間テレビ・てんま師匠の深夜の恒例コーナーへの美耶子の出演が決まるのだが、それはまた別の機会に……
水曜日につづく
バラエティの収録はドラマとはずいぶん雰囲気がちがう。
ドラマは監督(ディレクター)のものだが、バラエティは司会者のものだ。
司会者がすべてを支配する。ゲストをどういじるかも、司会者の技量次第だ。
その番組は放送開始から二十年間、トークバラエティとしてはトップクラスの人気を保っている。関西出身の大物コメディアン・白馬亭(ぺがさすてい)てんま師匠が仕切っている「てんまのめんま」だ。
美耶子をゲストに、というのは広告代理店側からの熱烈なオファーだった。「てんま師匠がぜひにと」と言ってきた。そういえば喜んで応じると先方は思ったかもしれないが、美耶子は女優であってタレントではない。タレントを別に低く見ているわけではなく、「演技」をしない素の美耶子は単なるおバカな小学生にすぎない。タレント的な当意即妙のトークなど望むべくもない。なので断った。
だが、向こうは執拗で、ついには窪塚プロデューサーまで動かしてきた。芸能界での美耶子の後見人とも言える窪塚氏に頼まれたらさすがに断れない。
美耶子自身は、「わお、めんまちゃんに会えるやン」などと怪しげな関西弁で喜んだ。めんまというのは番組のマスコットの着ぐるみキャラだ。
そんなわけで収録に臨んだわけだが。
初っぱなからてんま師匠はトバしてきた。
「小学生でエッチしてるんちゃうん、じぶん、めっちゃエロいな!」
さっそくのぶっちゃけエロトークだ。
この国のテレビの「常識」では、初潮前の少女にペニスを入れても性交とはみなされない。まあ、そんなわきゃあないのだが、テレビで「パチンコは賭博だ」とは口が裂けても言えないのと同じことだ。
そのために、その手の質問はマナー違反といえる。もちろん、事前に申し入れ済みのNGワードにも含まれている。
だが、この番組は、プロデューサーもディレクターも、てんま師匠のイエスマンにすぎない。誰も止める者がいない。
すべては、てんま師匠の思うがままだ。
てんま師匠は、UNDER12のアイドルがお好みらしく、ツイッターでも美耶子をはじめとするジュニアアイドルに粘着していて、気持ち悪い書き込みを繰り返していた。それもあって、美耶子を出演させるのは気がすすまなかったのだ。だが、てんま師匠が大手広告代理店に強く働きかけ、それが窪塚プロデューサーに波及し、どうしても断り切れなくなってしまった。大物タレントの横車、おそるべし、である。
そうして出演させたら、このざまだ。
生放送にもかかわらず、てんまは美耶子に性的な質問を連発する。
「おっぱいとかペッタンコやろ? ちょっと見せてみい」
「いままで、何人くらいとエッチしたん?」
さすが、「セックス」を「エッチ」という言葉に置き換えることで、ゴールデンのバラエティ番組で下ネタを成立させただけのことはある。イヤらしい質問を巧みにぶつけてくる。
対する美耶子も、
「オッパイですか? はい!(チラッ)」
とか
「てんま師匠は今まで食べたパンの数覚えてますか?(にこっ)」
などと切り返す。いや、真っ向から答えてしまっている気もするが。
「なんやそりゃ、ビッチやんけ、ひゃっひゃっひゃっ! じぶん、そないにエッチ好きなんか?」
てんま師匠はご機嫌だ。
「好きかどうかはわからないけど、お芝居で必要なことは全部やりたいんです」
「でも、感じてるんやろ? ドラマでも毎回、潮ふいてるやん」
「あ、見ててくださるんですか! うれしーです(にこっ)。えと、感じてるとか、演技に入ったら夢中になっちゃうから、よくわかんないですー」
「いままで、エッチして一番気持ち良かった男優は?」
「ゆーいち!(即答)」
「だれやそれ! おい、だれやねん、それ!」
そこで、てんま師匠はしばし荒れて暴れだす。
「ゆういち」が「おにいちゃん、だいすき!」での兄役の名前であることがわかり、てんま師匠は少し落ち着いた。
実際はおれのことだが、役名のことにしておかないとおれがタイーホされるからな……未成年とプライベートでセックスするのは、今でも違法なのだから。でも、これでドラマで「ゆういち」を演じた亀垣がまた増長するな。これまでの美耶子の無邪気な発言により、「ゆういち」は子役相手のベッドシーンが巧いという評判がたち、いまや押しも押されぬ演技派俳優として活躍しているのだ。
てんま師匠のセクハラトークで十五分、後半の十五分はてんまのゴリ押しで、美耶子はパンツ一丁でてんまの膝の上に乗せられることになった。「ドラマ撮影の再現」というていで。
ゴールデンのバラエティで女児の裸が放送されたばかりでなく、てんまは美耶子にヘビーペッティングをおこなった――ただし、それでもテレビコード上は問題ない。セックスではないから。
胸を両手でさすりながら、
「ほんまぺったんこな乳やなあ」
とからかう。この場合は、文字通り、イジっているというべきか。
それに対して美耶子は、
「だって十歳ですもん」
と返しつつ、ちょっと唇をとがらせる。
まあ、同年代の子より発育はちょっと遅いかもしれない。だが、多少の膨らみはあるし、美耶子の肌は絹のようになめらかですべすべだから、手触りはいいはずだ。
「先っちょ、かたくなってるやんけ」
指で、乳首をくりくりする。たしかに、勃起している。
「だ、だって、師匠がさわるんだもん……えっち」
「子供の乳首やぞ? エッチなことあるかい。こんなん、ただのスキンシップや」
言いつつ、てんま師匠の顔はだらしなく歪み、さらなる好奇心に駆られたようだ。
「で、パンツのなかはどないなっとんねん?」
「え、えええっ!? パンツもぉ?」
うろたえる美耶子の反応に、さらにてんまは興奮し、美耶子のパンツに手をかけた。
美耶子は絶妙な身のこなしで、カメラ的にいちばんおいしい、「かわいいおしりがつるん」と出る絵を作り出す。
「やだああ、もぉおお」
と言いつつ、てんまの腕のなかですっぽんぽんにされた。
おそらく視聴率はぐんぐん上昇中だろう。子役タレントの全裸はもう珍しくないが、てんま×美耶子の組み合わせはインパクトがある。
てんまは自分の膝の上で美耶子を開脚させた。
「なんや、自分、めっちゃ濡らしてるやんけ」
美耶子の性器を指で広げ、クリトリスをいじくる。
全国放送で、公開される美耶子の性器。
てんまはカメラに接写を命じ、膣口に容赦なく指を出し入れする。
それでも美耶子は気品を失わない。
「はぁ……あ……てんまさん、じょおずぅ……」
相手を立てることも忘れない。
問題は、てんまがその気になって、おっ勃ててしまったことだ。
番組終了間際になって、興奮のあまりズボンを脱ぎ始めた。ペニスを露出させる。
くどいようだが、大人の性器は依然として放送禁止だ。猥褻物にあたるからだ。
番組キャラクターの着ぐるみ「めんま」が身をていして、てんまの陰部を隠さなければ、放送事故になっていたところだ。
もっとも、それも込みの演出だったら、さすがというべきだが――
いや、ちがうか。
放送終了のテロップが出ても、てんま師匠は美耶子に襲いかかろうとしていたからな。さすがにスタッフに制止されていたが――
まあ、グダグダな終わり方だったが、視聴率はとてもよかったらしい。長寿は誇るものの最近は低空飛行を続けていたその番組が久々に叩き出した高視聴率だった。
そのおかげで、美耶子にはバラエティ番組出演のオファーが大量に舞い込むことになった。
てんま師匠からも個人的なお誘いが美耶子あてに何度もきた。
『おっちゃんのテクニック、よかったやろ? ええもんこうたるから、デートせえへんか?』
といったメールが日に何度も着信しているのを、笑いながら美耶子が報告してきたので、てんまの所属事務所に抗議と警告をおこなった。
『お忘れかもしれませんが、芸能活動以外で未成年者と性行為をするのは犯罪です』
以来、てんま師匠からのセクハラメールはやんだが。師匠は美耶子をあきらめていなかったようだ。
この事件がきっかけで、夏の29時間テレビ・てんま師匠の深夜の恒例コーナーへの美耶子の出演が決まるのだが、それはまた別の機会に……
水曜日につづく